言葉の花綵81

 殺されたものの霊を吊うの前に先ず殺したものを憎まねばならぬ、呪わねばならぬ、そしてその責任を問うべきである。(布施辰治)

 やると決心したことはやり抜け。仲間は裏切るな。(秋田明大の父)

 敗軍の将はたとえ彼自身がいかに最後までふみとどまったとしても依然として敗軍の将であり、敵の砲撃の予想外の熾烈さやその手口の残忍さや味方の陣営の裏切りをもって指揮官としての責任をのがれることはできない。戦略と戦術はまさにそうした一切の見通しの上に立てられる筈のものだからである。(丸山真男)

 わが子よ。父は身の肥ゆるを欲せず、志の肥ゆるを欲す。(三浦文治)

 第三世界。住民の大部分は国家を必要としていなかった。数世代にわたる暗黙の計算が、利益を極大化することよりも危険を極小化するほうがよい政策であると教えていた。(E・J・ホブズボーム)

 人間は、自分を理解してくれる他の誰かの存在なしには、その人自身でいられなくなるのだ。(小森陽一)

 ぼくは今でも社会主義を信じている。老後に不安がなく、教育が他人をおしのけるような選別の教育でなく、働くことで収奪されない体制が悪いわけがない。(金時鐘)

 女々しく泣くがいい、男らしく守れなかったのだから。(王妃アーエシャ)

 当時、わたしは六十五でした。六十五いうたらまだ若いでしょ。(千南弼)

 学校は楽しい。わからんことがわかったときのうれしさは、いいようがありません。生まれ変わったような気持ちになりました。(千南弼)

 政治家の過失は犯罪よりも悪い。(ナポレオン)

 私は物を書くのに精進潔斎して机に向い、苦吟渋思して筆を動かすという態度を取らない。私は楽しみながら筆を走らせるのが、最上の著述の態度だと考えている。著者が自身で感興を持つのでなければ、読者が面白いと思って読む筈はない。読者の百人のうち、たとえ一人でもいい、学問を面白いと思って読んでくれるなら、学者の冥利これに尽きる話ではあるまいか。(宮崎市定)

 ママ、僕はヒット・レコードなんか作るつもりはないよ。どこへ行っても同じ曲を演奏しなきゃならないなんていやだ。有名になんかなりたくない。お金も欲しくない。毎日ハラいっぱい食べ物があって、ギターをかきならすことができるんだったら、それで満足だよ。(デュアン・オールマン)

 日本の近代は朝鮮の植民地支配抜きには考えられない。朝鮮は日本の歪みを正す鏡だ。(山辺健太郎)

 自分自身を護る為には、自分たちを護らねばならなかった。一人は無力であった。(『濁流』 葉山嘉樹)

 俳優は家畜だ。(A・ヒッチコック)

 イングリッド、たかが映画じゃないか。(A・ヒッチコック)

 ささやかながら、できるだけいい映画をつくろう。(A・ヒッチコック)
by sabasaba13 | 2013-01-23 06:16 | 言葉の花綵 | Comments(0)
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