九州編(3):中津(11.9)

 そうこうしているうちに、中津駅前に到着。本日は、これから宇佐(呉橋・宇佐海軍航空隊跡)→豊後高田→豊後森(玖珠の機関車庫)→日田というパッツンパッツンのタイトな旅程だし雨も降っていることだし、無粋ですがタクシーを利用することにしました。まず、何はなくとも江戸紫…ではなくて福沢諭吉旧居に向かってもらいましょう。数分で到着、藁葺屋根に荒壁の質素な家でした。1835(天保5)年に大坂の中津藩蔵屋敷で生まれた諭吉は、1歳で中津に移り、蘭学を学ぶため19歳で長崎に行くまでこの家で暮らしたそうです。そして筑紫亭の塀へ。こちらは1901(明治34)年創業の老舗旅館で、「文化遺産オンライン」によるとその塀が見どころとのことです。おおなるほど、これは渋い。桟瓦葺の小屋根を架け、割竹と下地窓をほどこした瀟洒な物件でした。
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 次なる物件は、旧市立小幡記念図書館(現中津市歴史民俗資料館)です。慶應義塾の塾長をつとめた小幡篤次郎の寄贈図書を中心に1908(明治41)年に設立された記念図書館を建て替えたもの。石張りの玄関ポーチや、連続するアーチ窓、軒廻りの装飾がいい味を出しています。そして村上医家史料館へ。中津藩の御典医をつとめた村上家の屋敷で、七代玄水が同じシーボルト門下の高野長英を匿った土蔵もあるそうです。残念ながら火曜日休館のため中には入れず、土蔵も撮影することができませんでした。一応、高野長英匿い物件を追っかけており、これまでも宇和町宇和島と訪問してきたのですが、やむをえません、再訪を期しましょう。そして中津駅に到着、ん? 何やら改札口のあたりで人混みができており、駅員さんと深刻そうなやりとりをしています。♪恋の…ではなくて悪い予感がしましたが、ビンゴ。台風の影響運休が相次ぎ、次の大分行き特急列車も45分ほど遅れているそうです。まあいたしかたない、今日の旅程は諦めるにしても、最悪でも今夜の塒・大分へは這ってでも辿りつきたいところです。とにかくその列車に乗ることにしましょう。あと二十分くらいか、できれば中津のご当地B級グルメ、唐揚げをいただきたく思い、駅構内にある観光案内所で訊ねてみると、中津駅から歩いて7~8分のところに人気店があるそうです。ただ揚げるのに少々時間がかかるとのことなので、断腸の思いで断念。駅構内と近辺をふらついて時間つぶしをすることにしました。駅の南側に出ると、そこに鎮座されていたのは小便小僧!
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 またいったい何故??? 解説板によると、1958(昭和33)年、中津青年会議所が創立五周年を記念してユーモラスで珍しいものを建立しようということで作られたそうです。まあリビドーの捌け口は、自然環境と他者に害を及ぼさなければ十人十色であってよろしいでしょう。なお本家本元の、ブリュッセルにある小便小僧の写真がなかなか手に入らず苦労したというコメントがありました。今では人魚姫象(コペンハーゲン)・マーライオン(シンガポール)とともに世界三大がっかりの一つにノミネートされているジュリアン君ですが、私も拝見したことがあります。ちなみにウィキペディアによると、その由来には二つの説があるそうです。一つは、ブラバント公ゴドフロワ2世に関する説。1142年、当時2歳のゴドフロワ2世率いる軍は、グリムベルゲンでの戦いの際、戦場の兵士を鼓舞するため、ゆりかごに幼い支配者を入れて木に吊るした。 そこから公は敵軍に向かって小便をし、味方軍を勝利に導いたという説。もう一つは、侵略者が城壁を爆破しようとしかけた爆弾の導火線に小便をかけて消し、町を救った少年がいたという武勇伝説。1997年には近くに小便少女もできたそうです。なお、あるホームページを見ていたら、驚天動地の物件を見つけました。小便小僧の顔はめ看板の写真なのですが、なんと男性器の部分もくりぬかれています。いやはやもう五言絶句ですね。顔以外の肉体をはめるものはなかなかレアな物件で、私もこれまで三例しか採集していません。京都市動物園にあった猿の肩を抱く手をはめるもの、熱海にあったお宮を蹴飛ばす貫一の足をはめるもの、そして旧軽井沢森ノ美術館にあったモナリザの右手です。ブリュッセルに行って、この顔はめ看板に顔とお○ん○んをはめるため、馬車馬の如く汽車犬の如く一所懸命に働こうという意欲がもりもりとわいてきました。

 本日の四枚です。
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by sabasaba13 | 2013-01-26 08:03 | 九州 | Comments(0)
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