九州編(34):八代(11.9)

 朝、六時前に目覚め、カーテンを開けて空を見ると…明るく晴れています。テレビで気象予報を確認しても、今日は雨が降る心配はなさそうです。ああよかった、今日の午後は熊本で自転車を借りて市内を駆け巡り近代化遺産を見物する計画、もし降雨だったら旅順港閉塞作戦の如く瓦解していました。朝食は七時、それまで八代駅周辺を散歩して、朝ごはんを美味しくすることにしました。いちおう目指すはシャルトル聖パウロ修道院記念館、あとは臨機応変・いきあたりばったり・人生楽ありゃ苦もあるさ的に対処しましょう。八代駅は地味ですこし寂れた佇まい、背後でもくもくと元気よく煙を吐き出す日本製紙の工場とは対照的です。
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 駅前のマンホールの蓋に描かれているのは蜜柑? 金柑? 酒の燗? 嫁をもたせにゃ働かん? 今調べてみたところ、八代特産の柑橘類「晩白柚(ばんべいゆ)」でした。人の頭ほどの大きさになるそうで、その厚い皮を砂糖で煮た「ざぼん漬」という銘菓があるそうです。大雑把な地図を片手にふらふらと散策していると、今までに見てきた透かしブロックとは微妙に違う意匠のものを三つほど発見。とりあえず写真撮影をして帰宅してから確認することにしました。
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 おっタイルが貼ってある古そうな煙草屋があるぞ、ひさびさの「こばた物件」に遭遇できるかなといそいそと近づくと、残念、「たばこ」でした。また著名人の手形とサインが記されたタイルのついた小さなモニュメントが歩道の脇に並んでいましたが、不可解なのはその人選です。井上真二(読売巨人軍)、原辰徳(読売巨人軍)、大友康平(ハウンド・ドッグ)、うーむ、わからない… 井上氏の出身地は熊本県玉名郡南関町、原氏の出身地は神奈川県相模原市、大友氏の出身地は埼玉県入間郡越生町だし… たまたま八代を訪れた方たちなのでしょうか、ご教示を乞う。
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 さて肝心のシャルトル聖パウロ修道院記念館が見つかりません。通り過ぎる人もなし、駐車場の入口で坐っている謎の美少女に訊ねようとも…銅像だし。(なぜこんなところにこんな銅像がある!?) なんだかんだいってもう時刻は6:45です。韓信の股くぐり、できればこの手は使いたくなかったのですが、背に腹は代えられない、タクシーに頼りましょう。渡りに哲也、すーっと通りかかったタクシーに飛び乗って当該物件を告げると、案ずるより横山やすし、すぐに連れていってくれました。竣工は1900(明治33)年、木造二階建て、寄棟の瓦屋根、そして階下階上にベランダを廻すコロニアル様式の、乙女のように清楚な洋館でした。そして球磨川旅館まで乗せてもらい、着いたのは午前七時ちょい過ぎ、さっそく食堂でNHKのニュースを見ながら朝食をいただきました。パレスチナ自治政府が国連加盟申請をするとアナウンサーが報じると、となりで黙々と食事をしていた工事関係者風の若者が相棒に「どうせアメリカが拒否権を使うだろう」がぼそっと語りかけます。わかってるじゃないか若い衆、世界の動きに関心をもつ若者もちゃんといるのですね、おいちゃんは嬉しく思います。
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 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2013-03-05 06:18 | 九州 | Comments(0)
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