足尾鉱毒事件編(1):浅草(11.11)

 福島の原発事故の衝撃、先日の水俣来訪、となると日本近代史における「犠牲のシステム」の原点、足尾鉱毒事件と田中正造関連の史跡をまとめて訪れたくなりました。以前、散発的にはいくつか探訪したのですが見残した物件もあり、今回は二泊三日で"見るべきほどのものは"見てやろうと考えた次第です。初日は午後に出発、足利学校と鑁阿寺を見物して佐野に宿泊。二日目は自転車を借りて、佐野周辺の史跡を散策。三日目は足尾を徘徊し、紅葉が綺麗かなと期待をかけて吾妻峡を訪れる予定です。なお「田中正造と足尾鉱毒事件を歩く」(布川了 随想舎)という心強いガイドブックが入手できたのは僥倖でした。なお同書の「あとがき」に、下記のような一文があったので記しておきます。
正造は、見学者の眼と心を次のように分類した。
以上の毒野も、ウカト見レバ普通の原野ナリ。涙ダヲ以テ見レバ地獄ノ餓鬼ノミ。気力ヲ以テ見レバ竹槍、臆病ヲ以テ見レバ疾病ノミ。
 これは、死を覚悟して直訴しようとする三日前に、甥の原田定助に書き送った書簡の一節である。このガイドブックを手に歩かれる際、心していただければ、より真実が見えてくると思い、引用しておく。(p.134)
 軽忽と臆病を排し、涙と気力をもって史跡や異郷と向き合う。しかと肝に銘じて佐野・足尾を、そして幾山河を歩きまわっていく所存です。

 2011年の霜月好日、仕事を早めに切り上げて浅草へ。無粋な東京スカイツリーはほとんど完成しているようです。変人たる小生の目的はさにあらず、一瞥したただけで、先日の東京の教会めぐりで見られなかった日本聖公会浅草聖ヨハネ教会へと向かいます。さまざまな意匠の窓が踊る、小粋な物件でした。近くには、ファサードを下見板がこれでもかこれでもかこれでもかと覆い尽くす「御蔵前書房」が、大江戸・大東京関係や相撲文献を元気に商っていました。戦前の残り香を色濃くふりまく「神谷バー」を撮影して、東武浅草駅へ。「牛すき弁当」を購入して、特急「りょうもう」に乗り込みました。
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 弁当をたいらげ、車窓を流れる風景を陶然として眺めていると、15:20に足利市駅に到着。階段をおりると、途中に「PRU 私鉄東武 浅草支部足利市駅管区分会」と記された赤旗が誇らしげに掲げられていたので、「その意気や良し、同志よ」と心の中でエールを送りました。利潤をあげるため企業による労働組合の弱体化が着々と進行している昨今、連隊の旗を職場に掲げられる力量と決意に敬意を表しましょう。思うに、企業が儲かればその余沢が人々にも滴り落ちる、いわゆる"トリクル・ダウン"という論理が、近代以降民衆の暮らしを破壊してきたのだと思います。足尾鉱毒事件然り、水俣病然り、そして福島原発事故も然り。こうした動きに抗うための一つの核となるのが労働組合、職場での、いやグローバルな規模での労働者の連帯を追い求めましょう。

 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2013-04-14 06:19 | 関東 | Comments(2)
Commented by さんふらわあ乗船券販売所・関汽 at 2013-04-16 22:37 x
さんふらわあ乗船券販売所・関汽交通社

連合・サービス連合傘下の労働組合

関汽交通社社員さんへ

いじめ行為、嫌がらせ行為やめてください。

プライバシー等の人格権侵害行為もやめてください。

裁判所は、結論として、申立人らに対する面談強要の禁止、
申立人らの自宅前の道路の立入禁止、申立人らの監視の
禁止、申立人らのつきまといの禁止を命じた。

 その理由についてであるが、被申立人らの追尾行為、
それらが申立人らの生活の平穏、プライバシー等の
人格権侵害に該当することが明白であると述べ、
したがって、申立人らは、面談禁止、監視、付きまとい等
の禁止を求めることができるとした。

安心して、働きたいが労働者の要求です。

全国で有名になるまでがんばるぞ!
Commented by sabasaba13 at 2013-04-21 17:54
 こんばんは、さんふらわあ乗船券販売所・関汽さん。状況がよくわからないのでコメントのしようがないのですが、「安心して働きたい」という思いは共有します。頑張ってください。
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