足尾鉱毒事件編(24):吾妻峡(11.11)

 ふたたび列車に乗り込み、二十分ほどで終点の中央前橋駅に到着。シャトルバスでJR前橋駅まで移動し、駅構内にある観光案内所で吾妻峡の資料をいただきました。紅葉はもう終わりに近いというお話でしたが、初志貫徹、とりあえず行ってみることにしましょう。上毛線で新前橋駅に行き、こちらで昼食をとることにしました。駅に併設された食堂「麦和楽」に、「めざせ!群馬のB級グルメ王 あのチキン南蛮を越えた! かつ南蛮丼 まぜまぜかけかけたっぷりタルタルソース 新・食・快・感!」と血管が切れそうなくらいに気合の入ったポスターがありました。人生意気に感ず、ようがす、受けてたちましょう。ま、要するにトンカツに、マヨネーズでねったゆで卵をかけて食するものですが、いずれも私の大好きな食材、美味しくいただきました。なお駅舎には「詩人萩原朔太郎ゆかりの駅」というプレートがあり、彼の詩『帰郷』の一節が記されていました。"わが故郷に帰れる日 汽車は烈風の中を突き行けり ひとり車窓に目醒むれば 汽笛は闇に吠え叫び 火焔は平野を明るくせり まだ上州の山は見えずや"
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 そして吾妻線に乗ること一時間十分ほどで川原湯(かわらゆ)温泉駅に到着です。駅から歩いて数分のところに、遊歩道入口があり、渓谷の両側にそった遊歩道を一時間三十分ほど歩けば駅に戻ってこられます。しかし残念なことに紅葉はほぼ終わり、そのわずかな名残りを愛でながら寂寞とした雰囲気の中を散策。駅に戻る途中に、違和感にあふれる真新しい巨大なコンクリート塊がありましたが、解説板を見て納得。ここが八ッ場(やんば)ダムの建設予定地なのですね。
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 不覚でした。当否を論ずるほどの知識はありませんが、この吾妻峡や川原湯温泉を水没させるほどの価値があるのか疑問に思います。周辺の人々の生活を破壊することなど一顧だにせず、企業・官僚・政治家たちが己らの利権を守るために「国益・公益」と称して問題の多い事業を強行する、そんな構図ではないでしょうか。そう、足尾、水俣、そして福島と同じ構図です。駅の近くにはその一翼を担い続けてきた自民党の「決める。進める。自民党 日本をいちばんの国へ」というわけのわからないポスターが貼ってありました。何を決め、何を進め、どういう意味で一番をめざすのか、まったく不明です。要するにそれらについては白紙委任をしろということなのでしょうか、まった私たちもなめられたものです。駅前には「八ッ場ダム総合相談センター」があり、そして建設途中の巨大な橋脚を遠望することができました。吾妻線の付け替え工事だそうです。
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 駅前にあった観光地図を見ると、「日本一短いトンネル 7.5m」や「嘉納治五郎別荘跡」などが近くにあるそうです。
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 駅構内に貼ってあった川原湯温泉の観光ポスターには、「今しか見られない景色がある ダムに沈む幻の温泉」と記されていました。そして入線した列車に乗り込み、帰郷。
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 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2013-05-10 06:18 | 関東 | Comments(0)
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