スペイン編(4):プエルト・ラピセ(11.12)

 そしてバスで十数分走ったところにあるプエルト・ラピセという小さな町で休憩です。この町も『ドン・キホーテ 前篇(一)』の中に登場します。
 それから主従は今さっきの冒険についてあれこれ語り合いながら、プエルト・ラピセへの道をたどった。なぜかといえば、ドン・キホーテによれば、プエルト・ラピセは非常に往来の激しい場所だけに、そこに行けば多くのさまざまな冒険に出くわさないはずがなかったからである。(p.144)
 スパニッシュ瓦と白漆喰のお店で珈琲をいただき、トイレを拝借。洒落た絵が描かれたタイルの男女表示でした。
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 そして往時の面影もない静かな街並みを散歩、あるお宅には、ドン・キホーテとサンチョ・パンサのレリーフが飾ってありました。
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 そしてバスに乗り込み、約280kmを走ってコルドバへと向かいます。太陽光発電や風力発電をよく見かけましたが、再生可能エネルギーにかなり力を入れているようですね。
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 後日、「しんぶん 赤旗 日曜版」(2012.1.1/8)で以下のような記事を見つけました。
 第2次石油危機直後の80年に再生可能エネルギー開発に着手したスペイン。2005年以降、電力固定価格買い取り制度や法整備で同エネルギーは着実に増えています。風力・水力発電量が増えた10年には電力消費量の33.3%にも。20年には39%に高める計画です。
 気候に左右される自然エネルギーの比率が高まると、電力の受給バランスを調整する仕組みが必要になります。そこでスペインが実施しているのが、全国の電力系統を一括管理するREE(スペイン電力ネットワーク)社による需給調整です。…過去の電力消費の実績、現在の需給、天気予報も考慮した予測に基づき、風力が弱まりそうなら水力発電所に発電量の増加を指示します。…スペインは旧社労党政権下で原発を一定減らし、現有の8基は当面、稼働を続けます。しかし全国一括の需給管理体制をとり、「最大需要5500万キロワットに対し設備容量は1億キロワットある」状態。原発がなくても、やっていけます。
 「現在の経済危機で失業が大問題ですが、全国の失業率が22~23%なのにナバラ(州)は11%です。2005年には4~5%でした。再生可能エネルギー推進政策が大きく貢献しています。それに使う技術の8割はナバラでつくられています」
 自然エネルギー関連で5千人の雇用を生み、州の国内総生産(GDP)の5%を担っています。
 「もし日本が再生可能エネルギーを普及させたいのなら、ここでやっているように、まず国や地方自治体がイニシアチブを発揮することだと思いますよ」
 今、日本という国が存続しているのは、たんなる偶然にすぎないということに、いったい何人の人が気づいているのでしょうか。六ヶ所村再処理工場や福島第一原発4号機が大地震や大事故に遭遇したら…おそらく東日本の広範囲に想像を絶する被害をおよぼし、半永久的に無人地帯となり、さらには周辺諸国いや全世界的に放射能をまきちらす。それなのに、利権のためか、あるいは責任をとりたくないためか、いまだに原発に未練たらたらの官僚・政治家・財界の方々が何と多いことか。「ドン・キホーテ」に登場するあるカスティーリャ人の言葉を献呈します。
 お前さんは気がふれているのよ。それも、自分ひとりで勝手に狂人になり、自分の狂気のなかに閉じこもっている分にゃ、それほど悪いこともなかろうさ。ところが、お前さんの狂気には、お前さんと接し、付き合う者たちをも巻きこんで、阿呆にしてしまうという、変な力があるんだ。…愚か者め、さあ、とっとと家に帰って自分の仕事に精を出し、女房子供の面倒をみることだ。そして、お前さんの脳味噌をむしばみ、思慮分別をそこねているばかげた戯れとはきっぱり手を切るんだ。[後編(3)p.231]
 そしてバスの山地の間を縫うように走りぬけていきます。
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 一時間半ほど経過したところで、サービス・エリアに停車して小休止。珈琲をいただこうとすると、珈琲の種類を絵によって示したポスターがありました。うん、これはなかなか便利だ、私はCafe soloを、山ノ神はCafe lecheを注文してテーブルへ。机上にオリーブ油があるのが、いかにもスペインですね。一服するために外へ出ると、美しい夕映えが大気を染め上げていました。
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 バスに乗り込むとすぐに漆黒の闇が訪れ、うとうとしながら気がつくとコルドバの町に着いていました。アイレ・ホテル・コルドバのロビーでブリーフィングを受け、部屋で一休みした後夕食会場へ。バイキング形式の夕食をいただき、部屋に戻ってシャワーを浴びるともう上の瞼と下の瞼がくっつきはじめました。バスの長距離移動は疲れますね。
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 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2013-06-08 08:21 | 海外 | Comments(0)
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