甲斐路編(12):帰郷(12.5)

 次の小淵沢駅で中央本線に乗り換えますが、少々時間があるのでホームにある「ふもとの駅弁 元気甲斐」というお店で駅弁を物色、迷ったあげくに選んだのは「高原野菜とカツの弁当」。そして中央本線に乗って甲府をめざします。途中で、「政党助成金に使う320億円(年)を被災地復興に」という垂れ幕を掲げたお宅を発見。ほんっとにほんっとにそうですよね。それをしない限りは、どれほど「被災地復興」と囀ろうと所詮口先だけの言辞、被災地なんてどうでもいいという政治家諸氏の本音が見え隠れします。厚顔にも政党助成金を受け取っている政党の皆々様方、この声が聞こえませんか。
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 甲府駅で特急「かいじ」に乗り換え、さっそく先程購入した駅弁をいただきました。うん、これは美味しい、これだけがっつんと新鮮な生野菜が入った駅弁は珍しいですね。そして昨日購入した『蛇笏・龍太の山河』(福田甲子雄編著 山日ライブラリー)を拝読。二人がつくった名句にそれを解説した一文が添えられた、なかなか良い本でした。ちなみに私が気に入った飯田蛇笏の俳句を挙げてみると…
寒雁のつぶらかな聲地におちず
春猫や押しやる足にまつはりて
暖かや仏飯につく蠅一つ
白牡丹萼をあらはにくづれけり
採る茄子の手籠にきゆァとなきにけり
芋の露連山影を正しうす
誰彼もあらず一天自尊の秋
凪ぎわたる地はうす眼して冬に入る
 心動かされた飯田龍太の俳句は…
雨音にまぎれず鳴いて寒雀
日向より園児消えれば寒き町
紺絣春月重く出でしかな
春がすみ詩歌密室には在らず
湯の少女臍健やかに山桜
黒猫の子のぞろぞろと月夜かな
短夜のつぎつぎ暁ける嶺の数
夕雲の一片を恋ひ夏の富士
どの子にも涼しく風の吹く日かな
去るものは去りまた充ちて秋の空
短日やこころ澄まねば山澄まず
葱抜けば身の還るべき地の香あり
野老(ところ)掘り山々は丈あらそはず
 13‐8で龍太の勝ち…などと馬鹿なことは言いませんが、二人とも滋味あふれる良い句をつくられたのですね。日々の雑事に追われて枯渇寸前に陥った己の詩嚢を情けなく思います。いつになったら浅川四友のような「自然に対してのブルジュアー」になれることやら。

 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2013-09-11 06:18 | 中部 | Comments(0)
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