富士五湖編(9):精進湖(12.5)

 虫の知らせか、たんなる老化のためか、朝四時半に目が覚めてしまいました。恐る恐るカーテンを開けてみると…富士山だ。薄い雲が空一面を覆っていますが、まごうことなく富士の全貌を眺めることができます。あわてて着替えてカメラを持って屋上へ駆け上がりました。すごい… 精進湖と青木ヶ原樹海、そしてその向こうに悠然と屹立する大室山を抱く「子抱き富士」を、文字通り手に取るように一望できました。金子光晴の詠んだとおり、樹海のふところからとりだした珠、そして明眸のような湖ですね。しばし呆けたように眺め、紫煙をくゆらし、そしておもむろに写真撮影。
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 そうだ、せっかくホテルの自転車を借りられるのだから、早朝サイクリングと洒落込みましょう。清冽な空気を切り裂きながらペダルをこいでいくと、精進湖や富士の眺めが刻々と移り変わっていきます。木々の新緑もじょじょに朝日を浴びて輝きはじめました。
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 四十分ほどで精進湖を一周し、ホテルに戻ってきました。その前にある浜からは逆さ富士が見えるはずなのですが、残念ながら微風で湖面が少々波立っているため拝むことはできませんでした。カメラマンの方々もチャンスを待っていましたがちょっと無理そう。まあいいでしょう。いつの日にか再訪してこのホテルに連泊し、逆さ富士に朝焼け・夕焼けに染まる富士を見て、パノラマ台まで上って眺望を楽しみ、旧上九一色郵便局やオウム真理教サティアンの跡や富士ガリバー王国の廃墟を訪れてみたいものです。
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 美味しい朝食をいただき、館内にある「浜口タカシ写真美術館」を拝見。はじめて知った写真家ですが、美しい富士と、中国残留孤児・成田闘争・安保闘争・阪神大震災などの報道写真が展示してありました。さてそれではお暇しましょう。
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 チェックアウトをすると、大浴場が利用できなかったお詫びとして女将が干しいちじくをくれた。さらに宿の若い衆が、河口湖に用事があるということで、駅前まで同乗させてくれることになりました。こういう人情にふれると、旅の思い出として心に残るというもの。精進マウントホテル、眺望も絶品、接客も満点の素晴らしいホテルでした。また合う日まで、Adios! 車中では彼からいろいろとお話をうかがいました。富士の写真を撮るのが趣味で、今の時期は富士の朝焼けが綺麗だそうです。赤・ピンク・オレンジの朝焼けはよく見られるのですが、紫色に染まるのは希有なことだそうです。その一瞬を撮影するために、酷寒の中、戸外に立ち待ち続けるとか。また逆さ富士は年間半分弱ほど見られるが、完璧な姿は稀だそうです。河口湖近辺で、富士撮影の穴場はありませんかと訊ねると、しばし黙考、そして富士吉田市立病院近くに富士が映る田んぼがあると教えてくれました。それは耳寄り情報、さっそく観光案内所で教えてもらうことにしましょう。そうこうしているうちに河口湖駅に到着、丁重にお礼を言って若い衆とはお別れです。

 本日の三枚です。
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by sabasaba13 | 2013-09-28 08:13 | 中部 | Comments(0)
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