立山・黒部編(8):上高地(12.9)

 朝目覚めて、テレビで気象情報を見ると状況に変化はなく、やはり今日の夜には長野県を直撃しそうです。でもカーテンを開けると、雲間からお天道様が微笑んでおられるので午前中は何とかもちそう。一刻も早く上高地を訪れて、一刻も早く駒ヶ根に移動することにしましょう。チェックアウトをして松本駅へ行き、チェーン店のパン屋さんで朝食をとりました。駅構内には草間彌生展のポスターが貼ってありましたが、彼女はここ松本の出身だったのですね。そして松本電鉄に乗り込みました。
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 午前八時半ごろに新島々駅に到着、旧駅舎は健在で安心しました。そして上高地行きのバスに乗り換え、バス停「大正池」に着いたのは午前九時半ごろ。
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 上高地は以前にも訪れたことがありますが、あの時は春でした。今回は九月末の初秋、紅葉にはまだ早いでしょうがそれなりに違った風情が楽しめることを期待します。見上げると、雲も薄くなり青空も広がってきました。天下無双の晴れ男、その底力をお見せしましょう。まずは公衆便所に入って心を落ち着け、ついでに男女表示を撮影。
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 満を持して湖畔に行くと…おおっ、びゅーてぃほー! くっきりと屹立する焼岳と連山、それらをクリアに映す清冽な湖面、そしてアクセントとなる立ち枯れの木々。体にへばりついた毒素や心に溜まった澱が浄化されるような、清々しい景色です。しばらく見惚れて、煙草を一服、そして写真を撮りまくりました。なおこの大正池は、焼岳が大噴火をおこし、その際に噴出した多量の泥流により梓川がせき止められて1915(大正4)年6月6日の午前に突然あらわれた池だそうです。
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 木立の中を歩いていくと、四方八方に枝を広げる木々が水面にきれいに映っているところがありました。まるでジャクソン・ポロックの絵のよう。再び、大正池と焼岳を一望できる場所に出たので、写真を撮影。
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 そして自然研究路を歩いて田代池へと向かいます。ん? 「熊目撃情報」という立て看板に、「9月24日午後1時頃 田代池付近でツキノワグマ1頭が目撃されています」と書かれていました。桑原桑原、向こうも会いたくないでしょうが、こちらはもっと会いたくありませぬ。後日、北海道の糠平温泉でお世話になったガイドさんが、"ツキノワグマだったら闘ってもいいけど、ヒグマはちょっとなあ"とおっしゃっていましたが、いやいやいやいや滅相もない。邂逅しないことを心から祈って"エニ メニ アルーベニ ヴァナ タイ スースラ テニ"と呪文を唱えながらそそくさと立ち去りました。すこし歩くと、草原と木立の彼方に穂高を望めることができました。分岐からすこし右へ行くと、田代池に到着です。原生林の中に静かにたたずむ小さな池ですが、藻や水草の緑色で染まった清らかな水がとても魅力的です。
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 背景の連山や木々とあいまって素晴らしい景観でした。なお上高地のホームページによると、日本近代登山開拓の父・ウォルター・ウェストンが、1914(大正3)年に上高地と別れる日、最後に田代池を訪れているそうです。著書にある一文です。
 早朝、すがすがしく澄み切ったなかを、私たちはしょんぼりと梓川谷をくだっていき、人影のない田代の池を通りすぎた。鏡のような沼面は穂高の灰色の断崖と輝く雪を静かに映していた。

 本日の四枚です。
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by sabasaba13 | 2014-04-06 08:35 | 中部 | Comments(0)
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