幕末維新ミュージアム「霊山歴史館」は省略して、紅葉の穴場という情報を手に入れた正法寺へと向かいましょう。長い石段をのぼると廃寺のように荒涼とした本堂がありました。もちろん観光客は皆無。きれいに色づいたモミジやイチョウがあり、京の町を一望できる穴場です。
門の前にも見事に紅葉したモミジの古木がありました。その脇の石段をおりていくと、「坂本龍馬 中岡慎太郎など幕末志士葬送の道」という碑を発見。ここは正法寺参道で、かつてその境内に在京志士の葬儀をおこなった霊明社があったそうです。
すこし歩くと正面に八坂の塔が見えてきました。竹内栖鳳邸跡の前を通り、高台寺へ。
さすがに紅葉の名所と言われるだけに、たいへんな賑わいでした。モミジは散りはじめ、でもところどころで綺麗な紅葉が見られます。方丈と庭園、開山堂、臥龍池、臥龍廊、霊屋、傘亭、時雨亭をめぐりながら、紅葉を撮影。
そして高台寺の塔頭、円徳院へ。北政所ねねが余生を過ごし終焉の地となったところです。方丈で長谷川等伯の障壁画を拝見し、北書院から北庭を鑑賞。いくつもの巨岩を配した枯山水庭園で、小堀遠州が整えたそうです。縁側に座ってしばし見ていたかったのですが、団体の拝観客が陣取りその余地がありませんでした。
落ち着いた風情の石畳がつづく石塀小路をすこし歩き、駐車場へと向かいました。
三年坂には竹久夢二寓居跡がありましたが、彦乃が東京から来るまでの数か月をここで過ごしたそうです。
再び自転車にまたがって五条坂をかけおり、粟田神社をめざします。青蓮院にある大楠は大好きな
巨木で、いつも写真に撮ってしまいます。
そのすぐ近くにある粟田神社は情報通り、紅葉の穴場です。参道の石段脇や本殿周辺に、たくさんの紅葉したモミジがあり艶を競っていました。
次は平安神宮です。途中にあった京都府立
図書館は、ファサードが古い洋館だったので写真におさめておきました。今調べてみると、1898(明治31)年に関西建築界の父・武田五一の設計で建てられましたが、阪神・淡路大震災(1995)で甚大な被害を受け、前面だけ保存して再建されたとのことです。道路を挟んで向かいにあるのが京都市
美術館、1933(昭和8)年に開館し、公立美術館としては東京都美術館に次ぎ日本で二番目に古いものだそうです。日本風屋根を戴いた重厚な建築で、いわゆる帝冠様式でしょうか。
本日の六枚は、正法寺、正法寺門前の古木、高台寺(二枚)、円徳院、粟田神社です。