越後編(4):大野亀(13.3)

 タクシーに乗り込み外海府へ向かうと、二つ亀と大野亀という海に突き出た巨岩がありました。
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 二つ亀は潮が満ちてくると離れ島になるそうです。また海水の透明度は佐渡随一を誇り、「日本の海水浴場100選」にも選ばれているとのこと。大野亀は波打ち際から頂上まで一枚の岩からなる高さ約167メートルの巨岩で、日本三大巨岩の一つだそうです。後学のため残りの二つを調べてみると、諸説があるようですが、和歌山県にある「古座の一枚岩」と、屋久島の千尋の滝にある高さ200メートルの花崗岩らしいです。後者は訪れたことがあるのですが、前者については未踏。串本の近くにあるそうで、以前に行った時には全く気づきませんでした。なお大野亀は、初夏にはトビシマカンゾウ(山形県の飛島と酒田海岸、そして佐渡だけに生息するユリ科の多年草)が咲き乱れ、まるで黄色の絨毯を敷きつめたような見事な景観になるそうです。また両者の名称に共通する"亀"とは、アイヌ語の"カムイ(神)"に通ずる神聖な島を意味するとのこと。この二つの巨岩にはさまれた浜辺に、肩を寄せ合うように家々が建ち並ぶ集落が「願」ですね。宮本常一が訪れた1959(昭和34)年頃には海岸道路もなく、細い道しかなかったそうです。『私の日本地図⑦ 佐渡』(未来社)の中に、次のような記述がありました。
 …島の片隅はいつもおいてけぼりをくう。実は島でくらす者の生活向上をねらって離島振興法という法律もつくられたのだが、それにもかかわらず、一番恩恵をうけなければならない人たちが、いつまでも忘れられがちになる。(p.74)
 そして外海府海岸の道路を南下すると、車田があります。車状に稲を植えつける珍しい田んぼなのですが、まだ田植え前のためその形状はよくわかりませんでした。
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 後学のために解説板を転記します。
 北鵜島の旧家で伝来されている古代の田植習俗で、一年の田植仕舞いとして毎年5月中頃(大安)に執り行われます。
 当日の早朝に旧家の当主は、苗代田から苗3束を迎えて田の神を祀った後、その苗を車田へと運び、田面に御神酒を注いで祈りを捧げます。祈りが終わると、3人の早乙女が畦の三方から田の中央へと進み、半束を田の中心に寄せ合わせるように植え、その後は畦で歌われる田植唄に合わせて車状に後退しながら苗を植え付けていきます。
 車田植は全国でも当地と岐阜県高山市にしか伝存しないといわれる希少なもので、田植え当日には各地から大勢の見物客が訪れ、この古式ゆかしい田植え風景を静かに見守っています。

 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2014-06-02 06:25 | 中部 | Comments(0)
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