差別大国・日本3

 沖縄やアイヌの人々、門地、旧植民地出身者、外国人労働者、そして女性。レイシズムの博物館のようなこの国に蔓延する差別の諸相に慄然とします。そして差別の刃は、所謂「普通の日本人」にも向けられつつあります。資本を儲からせる能力や技術力のない人々への差別、「国益」のために不可欠である核(原子力)発電所を維持するための事故の過小評価と隠蔽、結果としての福島の人々への差別、企業に必要なアメリカの世界戦略への加担と在日米軍基地の優遇、結果として相も変らない沖縄の人々への差別。企業と官僚と政治家の利益、いわゆる「国益」に貢献しない人びとを、片っ端から差別して切り捨てる。末法の世、ここに極まれり。1%の富裕層と企業を儲からせる能力のある人たちを優遇し、金も能力もない99%の人たちを差別して切り捨てる、ということだと思います。差別された人たちのやり場のない不安・不満・ストレスは、スマート・フォンを与え、中国・韓国・北朝鮮への根拠のない優越感を感じさせ、あるいはオリンピックというお祭り騒ぎにまきこんで解消させる。世はなべて事もなし。

 さていよいよ衆議院総選挙が迫ってきました。安倍伍長の狙いは奈辺にあるのか。愚考するに、まず消費税10%即引上げの可否という一点に争点をしぼって、それに反対するのなら自民党・公明党に投票しなさいと、有権者を脅迫する。「たまったものではない」と消費税に悲鳴をあげている多くの方々が、即引上げに反対して自公に投票する。飛んで火に入る夏の虫、自公で過半数をとれたら、安倍伍長はこれを「全権委任」と勝手に解釈して、99%を差別して切り捨てる現行路線が承認されたとして、アクセルを目いっぱい踏み込む。集団的自衛権の容認、原発再稼働、辺野古への基地移転の強行、TPPに参加して日本経済をグローバル企業に叩き売り、福祉と教育の切り捨て、排他的ナショナリズムの煽動、歴史の改竄と歪曲、もってけ泥棒… 全権委任法を成立させて独裁を可能としたヒトラーのやり口を想起させられますが、そういえば風貌も似てきたような。でも安倍伍長のために申し添えると、ヒトラーは兵長どまりなので階級は下です。御慶。
 それにしても人の弱みにつけこむのがほんとうに御上手ですね、自民党は。上記の差別主義路線に反対だが、家族を路頭に迷わせるわけにはいかず、消費税増税をすこしでも先送りするために断腸の思いで自民党に投票する方々もいるでしょうに。ま、お金に目が眩み、こんないかがわしい政党に長期政権を委ねてきた多くの有権者にその責任の一端はあると思いますが。

 差別大国・日本に賛成するのか、反対するのか、あるいは差別を包み隠す“経済成長”という言葉の糖衣に騙されるのか、私たちは今、重要な関頭に立っています。
 アメリカの俳優クレイグ・キルボーンの言葉です。
 今度の選挙の結果は、もう今からばっちりお見通しだ。勝利するのは間違いなく、市民の暮らしと苦しみを屁とも思っていない、年食った白人男性!
 日本バージョンで言うと…
 今度の選挙の結果は、もう今からばっちりお見通しだ。勝利するのは間違いなく、市民の暮らしと苦しみを屁とも思っていない、年食って金持ちで政治家二世で差別主義者の男性!
 てなことになってほしくないなあ。でもなりそうでなあ。まあそうなってもgive upする気は毛頭ありませんが。
by sabasaba13 | 2014-12-10 06:26 | 鶏肋 | Comments(0)
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