川越編(7):埼玉県立平和資料館(05.7)

 老若男女で埋めつくされた嵐山渓谷の河原を橋から眺め、源義仲産湯の清水がある鎌形八幡神社、鎌形小学校に残されている旧日本赤十字社の建物を見て回りました。このあたりは馬頭観音が多いですね。さて再び資料館のあたりを走っていると「安岡正篤記念館」がありました。誰だっけ、この人? とるものもとりあえず、入館。「安岡正篤(まさひろ)。1898~1983漢学者。陽明学を修め、大正デモクラシーの風潮や共産主義運動に対抗して、日本主義思想による教化をめざした。国維会を結成し、内務官僚層を中心に<新官僚>運動を展開した。戦時中は地域指導者の精神修養に努めた。敗戦時に玉音放送原案を添削。戦後は全国師友協会を組織し、憲法改正を掲げた。歴代首相に信奉され、吉田茂らの施政方針演説に朱を入れたという。」ということでした。「平成」という元号も彼が考えたらしいですね。
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 森林公園駅で自転車を返却し、東上線を南下して高坂駅で下車。バスに乗ること十数分、大東文化大学で降り、埼玉県平和資料館を見物。侵略戦争という視点はおさえていますが、被害者としての民衆に関する展示が中心です。面白かったのが一時間に三回行われる疑似体験コーナー。当時のままに復元された教室でビデオによる修身の授業を受け、空襲警報が鳴ると隣りにある防空壕に移動して空襲の音や揺れをバーチャルに体験するというものです。一緒に入った老齢のご婦人が「こんなものじゃなかったわよねえ」とおっしゃっておりましたように、音も揺れもしょぼいものでした。アイデアは素晴らしいのですから、ロンドン戦争博物館の「Trench experience (塹壕体験)」を見習ってもっともっとリアルなものに鍛え上げてほしい。そして無差別爆撃が、いかに恐ろしく悲惨で非人間的で、しかも一方的な殺戮であるかを、子供たちに五感で感じてもらいたい。アメリカ軍による東京大空襲、連合国軍によるドレスデン爆撃、ドイツ軍によるゲルニカ爆撃やロンドン空襲、日本軍による重慶爆撃、お互いに無差別爆撃を繰り返した歴史を理解する上で欠かせない体験だと思うし、アメリカ軍がイラクで行った無差別爆撃を批判する視点も生まれるのでは。そしてその行為を日本政府が全面的にバックアップしているという事実が何を意味しているのかについても。しかしこうしてみるとアメリカは無差別爆撃をされた経験がないのですね。Mr. George Walker Bush、ぜひ高坂に来てください。無差別爆撃の禍々しさの1/10000ぐらいは体験できますよ。まともな感性と神経があればの話ですけれど。
 資料館に付属している展望塔は上る価値あり。残念ながら曇天と高い湿度のため、眺望はよくなかったのですが、関東平野を取り巻く連山の位置関係がよくわかります。ここで歴史の講義を受けてみたいな。
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 ●埼玉県立平和資料館 
    http://homepage3.nifty.com/saitamapeacemuseum/index.html
by sabasaba13 | 2005-07-30 05:54 | 関東 | Comments(0)
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