植治の庭編(3):南禅寺界隈(13.11)

 朝六時に気持ち良く目覚め、歯を磨いて顔を洗い、インスタント・コーヒーを片手にベランダに出ました。雲が多いもののお天道様の恥ずかしげなご尊顔を拝むことができました。まどろむ琵琶湖、陽光を浴びて目覚めた比叡山、♪Softly, as in a Morning Sunrise♪と口笛を吹けば気分はジョン・コルトレーン。でもあのシーツ・オブ・サウンドを口で奏でるのは至難の業ですね。
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 朝食会場は幸いなるかな、琵琶湖を一望できる個室に案内されました。一心不乱に薬膳カレーを頬張る山ノ神に、本日の行程についてレクチャー。(聞いているのかな?) 天授庵、南禅寺、永観堂、真如堂と歩いてまわり、小川治兵衛のお庭が見られる並河靖之七宝記念館へ。昼食は予約を入れてある「菊水」で湯豆腐をいただき、こちらでも植治のお庭を拝見。そして無鄰庵とウェスティン都ホテル京都にある葵殿庭園と佳水園庭園を訪れて本日は終わりです。いかが。「よきにはからえ」 はいはい。「“はい”は一度でよい」 はい。
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 浜大津駅に向かい、浜大津アーカスというビルの湖側を歩いていると、イサム・ノグチの遊具「オクテトラ」を見つけました。旧大津公会堂のとなりに屹立する大銀杏が輝くように色づいています。
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 浜大津駅から京阪電車に乗って蹴上駅で下車し、南禅寺方面へと歩いていきました。インクラインの下に穿たれた歩行者用トンネルは、重厚な煉瓦造りです。扁額もかかっているので何か由緒がありそうですね。その正体については、帰宅後にすぐ判明しました。前掲した『庭師小川治兵衛とその時代』によると、この歩行者用トンネルも琵琶湖疏水工事にともなって作られたもので、扁額の「雄観奇想」という字を揮毫したのはこの計画を推進した北垣国道京都府知事でした。なお「ねじりマンボ」と記されていたのですが意味がわからず、インターネットで調べたところ、強度を高めるためにトンネル内部の煉瓦が螺旋状にねじれているそうです。なおマンボとは鉄道の線路をくぐるトンネル、間歩のこと。それにしてもまったく気づかなかったのは不覚、己の目が節穴あることにあらためて汗顔しました。

 本日の三枚です。
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by sabasaba13 | 2015-05-17 09:19 | 京都 | Comments(0)
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