植治の庭編(8):真如堂(13.11)

 哲学の道には見応えのある紅葉はありませんでした。左に折れて白川通りを渡り、真如堂へ。盛りは過ぎたとはいえ、まだきれいに色づいているもみじを愛でることができました。広い境内をうめつくすもみじ、やはりここは定番中の定番ですね。拝観料がただというのも魅力です。写真を撮りながらそぞろ歩いていると、「京都 映画誕生の碑」というカメラを模したモニュメントを見つけました。解説を抜粋して引用しますと、1895年にフランスのリュミエール兄弟によって発明された映画(シネマトグラフ)が、二年後の1897年に稲畑勝太郎によって日本に持ち込まれてはじめて上映されたのがここ京都でした。そして1908年、横田永之助の依頼を受けた牧野省三が、日本初の映画「本能寺合戦」を撮影したのが真如堂の境内です。その百周年を記念して建てられたモニュメントというわけです。
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 そして金戒光明寺へ向かいましたが、その途中にあった西雲院には、それはそれは見事に色づいた真っ赤なもみじを見つけました。こういうマイもみじに出会えると嬉しいですね。金戒光明寺では庭園を拝見しましたが、残念ながらもう散りはじめていました。参道の紅葉はきれいでしたが。
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 岡崎公園のあたりを歩いていると、「子宝」という洋食屋にとてつもなく長い行列ができていました。うーん、そこまでして食べるに値する味なのでしょうか。雑誌やインターネットの情報にふりまわされているような気もしますが。岡崎公園には「舞妓体験処 心のトイレ」という謎のトイレがありました。舞妓姿に変身して用を済ませて心の平安を得るという趣向なのでしょうか。これは入らずにはなるめえ、アイ・コンタクトをとって二人で中へ。男性用は別段変わったところはありませんでした。山ノ神に訊くと、女性用も同様。いったい何だったのだろう??? "秘すれば花"ということにしておきましょう。
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 平安神宮の大鳥居へ出て、白川沿いにすこし歩くと並河靖之七宝記念館に到着です。先述したように、七宝作家の並河靖之が研磨のために疏水の水を自宅に引き入れ、その一部を池水に利用したのですが、その庭をつくったのが隣に住んでいた小川治兵衛でした。1894年に作庭された植治の処女作でもあります。まずは展示室で彼の作品を拝見しましたが、その精巧さと美しさには目を奪われました。七宝とは、金属の素地にガラス質の釉薬を焼き付けて装飾する工芸ですが、これほど完成度の高い作品を見るのは初めてです。眼福眼福。
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 本日の五枚、上から真如堂(3枚)、西雲院、金戒光明寺です。
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by sabasaba13 | 2015-05-28 06:33 | 京都 | Comments(0)
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