重森三玲の庭編(45):ホテルにて(14.3)

 わが尊敬する内田樹氏がそういう仕打ちにあったいたのか。寡聞にして知りませんでした。さっそく帰郷後にインターネットで調べてみると、下記のような神戸新聞(2014.3.2)の記事がありました。
内田樹氏招いた憲法集会 神戸市が後援承認せず

 5月3日の憲法記念日に神戸市内で開かれる「憲法集会」(神戸憲法集会実行委員会主催)について、神戸市と同市教育委員会が実行委からの後援依頼を承認しなかったことが分かった。「政治的中立性を損なう恐れがある」というのが理由だが、同実行委が過去に開いた憲法集会は後援していた。安倍晋三首相が解釈改憲による集団的自衛権行使容認に強い意欲を示すなど、憲法をめぐる議論が過熱する中、立ち位置に戸惑う自治体の姿が垣間見える。
 同集会は約50年間続いており、実行委は神戸市内の労働団体や護憲グループで構成。今年は同市中央区の神戸芸術センターで開催予定で、護憲の立場を明確にしている内田樹(たつる)・神戸女学院大名誉教授の講演などがある。実行委はこれまで、会場の大きさや講演者の知名度に応じて、同市や同市教委などに後援を依頼するかどうかを決定。近年では1998、2003年に依頼し、ともに後援名義使用が許可された。
 今回は昨年12月13日に申請。回答がないため、実行委が数回催促したところ、2月4日付で久元喜造市長名、同5日付で雪村新之助市教育長名の文書が届いた。いずれも「憲法に関しては『護憲』『改憲』それぞれ政治的主張があり、憲法に関する集会そのものが政治的中立性を損なう可能性がある」と明記。市教委の回答には「昨今の社会情勢を鑑み」とも記されていた。
 同市の内部規定は、後援名義の使用を承認する要件を「政治的中立であり、宗教的活動でないこと」としている。同市行財政局庶務課は従来との整合性が問われる今回の対応について「憲法について多様な意見がある中で後援するのは差し控えた」と説明する。
 これは素人考えですが、神戸市がびびった理由は、反政府的な動きをした場合に予想される、政府から有形無形のいやがらせを恐れたためではないでしょうか。補助金や助成金の削減とかね。ぜひジャーナリズムによる精査を期待します。ちなみにもしそれがあるとしたら、これって…"いじめ"じゃありませんか。文部科学省の定義によると、"いじめ"とは「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」。政府が率先して"いじめ"をしているのならば、学校でなくなるわけはありませんね。
 そして、神戸市がびびったもう一つの理由が、排外的ナショナリズムや自慰的愛国心に同調し安倍伍長を支持する方々からのクレームや抗議を恐れたためではないでしょうか。基本的人権である「思想・信条の自由」「表現の自由」、そして自治体の憲法尊重擁護義務ともからむ重要なことなのですから、そう簡単に腰を引いていい問題ではないはずだと愚考します。
 いずれにしても、心理的・物理的な攻撃をちらつかせて、相手に精神的苦痛を与えたり、言動の自粛に追い込んだりする。今、日本は輪奐たる"いじめ社会"に変貌しつつあるのかもしれません。(いや近代以降、ずっとそうだったのかもしれません) 個人事業者や下請け業者に負担を強いる消費税値上げもそうですし。ああやな時代だ。でもこれは自然現象ではないのですから、みんなの叡智と努力で変えられるはずです。そして白井聡氏も『永続敗戦論』(太田出版)の中で述べているように、われわれの知的および倫理的怠惰を、こうした動きに燃料として供給するのをやめること、それが何よりも肝心なのではないかな。
by sabasaba13 | 2015-09-11 06:23 | 近畿 | Comments(0)
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