重森三玲の庭編(52):八陣の庭(14.3)

 桜祭りのためなのでしょう、屋台が並んでいましたが、肝心の桜が五分咲きのため開店しておらず閑散としています。
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 再建された天守閣に行くと、その前に重森三玲作庭による「八陣の庭」がありました。前掲書の解説を参考にして紹介しましょう。南北朝時代の武将・和田氏が、「岸」と呼ばれていた地に城を築いたことからこのあたりは「岸和田」と呼ばれるようになりました。その後、城主は転々としますが、秀吉の時代には本格的な五重の天守を構えていたということです。やがて江戸時代の1827年に天守を焼失し、再建されないまま明治期に廃城を迎えました。戦後、天守閣が再建される際に、作庭を依頼された重森三玲は、天守の最上階から、あるいは飛行機などからも鑑賞できるようにしようと意図しました。おそらく空からの視点で鑑賞するお庭は、日本でここだけでしょう。それでは入場料を払い天守閣の最上階へとのぼりましょう。
 おおっこれは壮観だ。幾何学的でモダンな線で区切られた砂地、そこに点在する石組。まさしく地上絵です。解説によると、三玲は城郭庭園にちなみ、諸葛孔明の八陣法を表現したそうです。中央に大将陣をつくり、その周りに天・地・風・雲・龍・虎・鳥・蛇の八陣で守りを固める配置です。また眺望も素晴らしく、市街地や大阪湾、六甲の山並みも見わたすことができました。山ノ神は目敏く、あべのハルカスを発見しました。
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 それでは下界におりてお庭をじっくりと拝見しましょう。やはり直近で見ると石組の迫力が伝わってきます。鳥瞰で全体の構成を楽しみ、間近で石組の意匠を楽しむというお庭です。中央には大将陣の豪華な石組を、周りには八陣を表す八つの石組をもうけてあります。地平を走る猛虎の姿をとった虎陣石組。地下に深く入り込むような伏石を三つ組んだ地陣石組。風の如く六個の石が組まれた風陣石組。龍が黒雲を得て昇天する様を見せる龍陣石組。大空を羽ばたく朱雀の姿をかたどる鳥陣石組。二個の黒石が長蛇を表す蛇陣石組。いずれもここにこの石を置くしかないという、絶妙の配置に思えます。"石の声を聞け"という重森三玲の面目躍如、一見の価値があるお庭です。

 本日の八枚です。
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by sabasaba13 | 2015-09-18 06:43 | 近畿 | Comments(0)
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