重森三玲の庭編(54):法林の庭(14.3)

 さて現在の時刻は午後四時すこし過ぎ、関西空港で搭乗する飛行機の出発時刻は午後7時20分、乗り遅れないように慎重に事を進めましょう。岸和田駅から南海本線でりんくうタウン駅まで行き、JR関西空港線に乗り換えて日根野へ、ここでまたJR阪和線に乗り換えて和泉砂川駅に着きました。いよいよ今回の旅の掉尾を飾る重森三玲の庭、林昌寺にある「法林の庭」をめざします。しかし駅から徒歩20分、フライトのことを考えるとタクシーで往復したいものです。しかし駅前で客待ちをしているタクシーがあるでしょうか…あった! 一台のタクシーが停車しています。天のどこかにいる誰かに感謝しつつ、自動改札を出ようとすると… 好事魔多し、ドアがぱたっと閉まりました。どうやら「りんくうタウン駅」で、南海本線からすぐにJRに乗ってしまったためのエラーのようです。駅員さんに事情を説明して清算しているうちに、タクシーは無情にも客を乗せて走り去っていきました。万事休す。駅前にタクシー会社はあったのですが、人も車も見当たりません。看板に表示されていた番号に電話をかけようとしても、公衆電話がない。万事休すpart2。すると山ノ神がにたりと笑って、バッグから携帯電話を取り出すではありませんか。頼りにしてまっせ。彼女が電話したところ、タクシーを駅まで向かわせるのでしばらく待っていてほしいとのこと。現在の時刻は午後五時ちょっと過ぎ、飛行機の出発時刻は午後7時20分、時間との戦いですねこりゃ。しかし幸いなことに、十分ほどでタクシーがやってきてくれました。さっそく林昌寺へ連れていってもらいましたが、わずか五分ほどで到着。常日頃、自動車に対する悪態をついていますが、現金なものでこういう状況だとその利便性を痛感します。ここの桜はほぼ満開でした。
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 運転手さんに駐車場ですこし待っていてほしいとお願いし、さっそく入山。このお寺さんにある重森三玲の「法林の庭」も素晴らしいものでした。斜面を埋めつくすサツキとツヅジの刈込、その間から顔を出すさまざまな意匠の石組。まるで波の間に間に浮遊しているようです。斜面を階段で上までのぼれるのも楽しいですね、下から見上げ、途中で見渡し、上から睥睨する、さまざまな視点で石組を堪能できました。
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 前掲書によると、平安後期、堀河天皇が行幸したとき、山躑躅がみごとであったことから躑躅山(てきちょくさん)と山号を改め、寺号も法林繁昌の地として林昌寺と改名されたそうです。重森三玲が作庭したときには石組と苔の築山でしたが、強い西日でどうしても苔が枯れてしまうので、彼の没後に大刈込に変更されました。でも違和感はまったくありません。ツツジやサツキの花盛りのころはさぞや見事な景観となるでしょう。でも大きくなりすぎると石組を隠してしまうので、剪定や日々の手入れが大変でしょう。ご苦労様です。

 本日の三枚です。
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by sabasaba13 | 2015-09-24 06:31 | 近畿 | Comments(0)
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