スイス編(15):チューリヒ美術館(14.8)

 次はフェルディナン・ホドラーの作品を集めた部屋です。スーパーニッポニカ(小学館)から引用します。
Ferdinand Hodler (1853‐1918) スイスの画家。ベルンの指物師の家に生まれ、5歳で父を、14歳で母を失い、苦学してジュネーブの美術学校に学ぶ。初期にはコローやクールベの影響を受け、職人や手工業者など身近な環境や風景をモチーフとする写実的な手法から出発した。のちしだいに画面に明晰で厳格な秩序を追求し、寓意画の大作『夜』(1890・ベルン美術館)で注目された。同一の色彩形態の反復を骨子とする彼の「平行の原理」は、個を超えた類型を求める一種の象徴主義といえる。ほかに『夜』と対をなす『昼』(1900・ベルン美術館)、イエナ大学の壁画『イエナ大学生の行進』(1908)が代表作。写実から象徴へ、装飾から寓意への転換を果たした彼は表現主義の先駆と目される。
 『巨匠に教わる絵画の見かた』(視覚デザイン研究所)に、ホドラーに関する下記のような解説がありました。
 1890年ごろまではごく普通に描かれていたが、作風はこの年を境に変わる。〈パラレリズム〉という平面的人物を繰り返すスタイルを使うようになる。象徴主義者たちの秘密結社・薔薇十字会に参加し、リアルな絵を否定し、神秘主義的な絵を描き進めた。(p.109)

ホードラーは、エジプト美術に影響を受け、人物の装飾的配置で独自の様式をうちたてたスイスの画家。「ベートーヴェン・フリーズ」は彼の様式を学んだ作品だ。(p.120)
 なるほど、平面的人物を繰り返すスタイルがクリムトに影響を与え、ウィーンのセセッションにある「ベートーヴェン・フリーズ」として結実したのですね。装飾的な群像も良いのですが、私は彼の風景画が好きです。山と湖と空と雲、何気ない風景なのですが、まるで吸い込まれそうな静謐さに惹かれます。

 本日の四枚です。
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by sabasaba13 | 2015-10-14 06:27 | 海外 | Comments(0)
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