伊勢・美濃編(52):明治村(14.9)

 東松家住宅は名古屋の中心部堀川沿いにあった商家で、油屋・貯蓄銀行を営んでいました。三階建ての塗屋造というのが珍しいですね。江戸時代にはいかに富裕でも武家以外のものが三階建ての建物を造ることは許されず、1867(慶応3)年に なってはじめてこの禁令が解かれました。しかし、1919(大正8)年に市街地建築物法により木造高層住宅が禁止されたので、三階建て以上の木造住宅はわずか50年ほどの間しか造られませんでした。貴重な作例ですね。
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 京都中井酒造は、1864(元治元)年に起きた蛤御門の変で焼失した後に再建されたもの。狭い間口に比べ奥に長い町屋造りで、屋根に緩いカーブを持たせた「起(むく)り屋根」や虫篭窓(むしこまど)がチャーミングです。なお一階正面の目の粗い格子は酒屋格子といって、内側に薄い格子板が添わされていて左右にずらすだけで遮蔽ができるようになっているそうです。
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 安田銀行会津支店は重厚な土蔵造で、お金を守ってくれるという雰囲気を醸し出しています。側面のなまこ壁がいい味です。また入口の柱や石積の腰壁など、洋風テイストももりこまれています。
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 札幌電話交換局は、高価な交換機を火災から守るための石造りです。胴蛇腹に連続して並ぶ円形花紋や、一階と二階の窓の意匠を変えるなど、外観が単調にならぬよう考えられています。
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 京都市電は、1895(明治28)年に開業した日本初の市電。琵琶湖からひかれる疏水の有効的な利用法として日本最初の水力発電がはじまり、その電力を利用したものですね。
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 京都七条巡査派出所は京都駅の近く、西本願寺・龍谷大学の入口角に建てられたもの。木造の建物ですが、当時流行していたレンガ造洋風建築に似せて化粧レンガを張りあげています。ハイカラな雰囲気で、当時は多くの人目をひいたでしょうね。
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by sabasaba13 | 2016-05-12 06:37 | 中部 | Comments(0)
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