秩父編(5):(14.10)

 その隣にあるのがカフェ・パリー、解説を転記します。
 この建物は、店舗兼用住宅の木造2階建て片流れ造金属板葺き屋根となっています。屋根は正面側が高く、この屋根を隠す位置までラスモルタル塗の外壁が大きく立ち上がり、最上部にコーニスを廻しています。コーニスの下にはエッグアンドダーツ(卵鏃文様)のモールディングが施されています。小屋裏にあたる位置は窓を付け3階建てを思わせる外観となっています。正面建具はこの小屋裏窓の他は建築当時のものではありませんが、窓上部の装飾はみな当初のものとなっています。このように外観は近代洋風の様相となっていますが、内部は店舗部分の調理場と客席を除き、従来の木造建築の様相となっています。
 昭和時代初期から昭和30年代にかけての秩父の賑わいを今に伝える近代商店建築の一つとして貴重な建造物となっています。
 ラスモルタル(lath+mortar)とは、鉄線を編んだワイヤ-ラスなどを下地にしたモルタル仕上げのことだそうです。アンバランスな窓の配置が面白いですね。今では「食堂パリー」となっていますが、なぜ"パリ"ではなく長音をつけたのでしょう?
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 というわけでこの一角では、まるで昭和にタイムスリップしたようなレトロな雰囲気を楽しめます。
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 ここから秩父駅に向かって歩き、途中の路地に入ると近藤歯科医院がありました。解説を転記します。
 この建物は、昭和2年(1927)に歯科医院を開業し、その際に建築されたものです。一部に増築部分があるものの全体的な建物の規模は当初からのものとなっています。
 建物は、平入の切妻造瓦葺屋根の木造2階建て一部平屋建てとなっており、東から住居棟、医院棟、勝手棟を配して建てられています。
 外観は、ハーフティンバーや縦長の上げ下げ窓を用いるなど全体的に近代洋風建築の特徴で統一し、内部は医院部分を西洋の意匠と居住部分に和風の意匠で使い分けをしています。
 近代医院建築が数棟残る秩父市内において、和洋の両特徴も兼ね備えた特徴的な一例として挙げられる貴重な建造物となっています。
 柱をむき出しにしたハーフティンバーと縦長の大きな窓が印象的な、洒落た洋館です。
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by sabasaba13 | 2016-08-11 06:42 | 関東 | Comments(0)
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