福岡・大分編(8):別府(03.9)

 今日は棚田へのサイクリング。別府駅で電動でペダルが軽くなる自転車を貸してもらったので、楽勝でしょう。天気も素晴らしい秋晴れ。期待に小さな胸は膨らみます。駅からいきなりの坂道ですが、電動自転車のおかげで快調。行程の四分の一まで来るとかなり坂も急になりますが、何とかなりそう。ふとバッテリーランプを見ると、すでに三分の一を消費! おいおい話が違うよ、係りのおじさん。「満タンじゃけん、60kmはだいじょうぶじゃけんのう」って言ったじゃないか。おまけに山の中、ガソリンスタンドもなし。強行するか、撤退するか。ううううううううううううううむ… と煙草を吸いながら四分ほど呻吟して、撤退を決定。青春の蹉跌だ。すごすごと別府市内へ引き返しました。“散歩の変人”の矜持をズタズタに引き裂かれ、虚ろな目で傷心の時を市内で過ごしました。京大地球熱学研究所のレトロなビル①、見事な洋館の聴潮閣、飯塚の石炭王麻生太吉別荘、柳原白蓮の歌碑、野口病院②、カトリック教会③、アンパンが美味しいという友永パン屋④、竹瓦温泉⑤、鶴田家の鏝絵⑥を彷徨しているうちに心も癒され、立ち直りっ! それにしても別府はずいぶんさびれましたね。団体客を大広間に押し込めてトンカツを食わせるというような大名商売は、いいかげん考え直した方がいいと思います。このままさびれて熱海のように廃墟フリークを引きつけるというのも、一つの選択肢ですけれどね。
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 さて内成棚田へはタクシーで行くことにしました。運転手さんは「棚田に連れて行けと言った客ははじめてや」とぼやいてましたが、無線でルートを確認しながら快く引き受けてくれました。民家の間の急峻な坂道をのぼること約20分で到着。おおおおおおおおおおおおおおお、御見事!!! 休耕田も殆どなく、集落は生気に溢れ、山の斜面すべてに稲穂が揺れる黄金色の夢のような情景。何よりも生きるために想像を絶する労力によって山を削って棚田をつくった、その人間の営み。胸が熱くなりましたね。神々しささえ感じます。脱帽。はあっ…
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 この後、運転手さんが安くしてくれるというので誘いにのってやまなみハイウェイをドライブ。由布院・由布岳を抜けて長者原に行き、九重連山と硫黄山を堪能。そして別府・大分・高崎山・国東半島を一望できる絶好のビュー・ポイントに連れて行ってもらいました。
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 別府からJRで大分に行き、大友宗麟の銅像を写真に撮り、臼杵着。ナイト・キャップは豊後の麦焼酎「銀座のすずめ」。はあっ…

 本日の一枚は、内成の棚田。言葉もありません。ふうっ…
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by sabasaba13 | 2005-08-29 09:01 | 九州 | Comments(0)
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