虐殺行脚 埼玉・群馬編(1):前口上(14.12)

 ヘイトスピーチの現状はどうなっているのでしょうか。オリンピックについての報道は洪水のように溢れさせるメディアですが、この問題や、辺野古や高江や福島の状況などほんとうに重要な出来事についてはなかなか知らせてくれません。まるで『何も起こりはしなかった』かのように…
 実は2014年12月14日の朝日新聞に次のような記事が載っていました。長文ですが引用します。
ヘイトスピーチ 言葉の凶器 
各地で繰り返されるヘイトスピーチ(差別的憎悪表現)で、中傷の対象にされている在日コリアンはどう感じているのだろう。東京のNPO法人が関西在住の16人から聞き取り調査したところ、在日の人々が心の傷を受けている実態が浮かび上がった。「日本社会が変わってしまった」と戸惑う人も少なくない。
 調査したのは弁護士や研究者ら700人超でつくるNPO「ヒューマンライツ・ナウ」。メンバー7人が4~7月、個別に面談して体験を聞き、11月にまとめた。
 10代の女性は、ネットでヘイトスピーチの動画を見ても「別世界のこと」と感じていた。街頭で初めて目にした時、衝撃を受けた。話し合おうと参加者に声をかけると、「あなたはこの国に必要ない。帰ってください」と言われた。
 50代の男性は、大阪・鶴橋で昨年2月にあった街頭宣伝を動画サイトで見た。中学生くらいの少女が拡声機で「鶴橋大虐殺を実行しますよ」「いい加減帰れー」と叫んでいた。「吐き気がした」。この街宣を現場で見た別の50代男性は「存在が否定されたと思い、心臓がドキドキした」「(朝鮮人虐殺が起きた)関東大震災が頭をよぎった」と振り返った。社会の空気の変化を感じ取る人もいた。30代女性は、飲食店で隣のテーブルから「ヘイト的言動」が聞こえてきて、ビクッとすることがある、と語った。「目撃しているのに(市議会)議員は何も言わず、笑っていた」(別の30代女性)など、社会が黙認していると不信感を抱く人もいた。
 子どもへの影響を心配する声も目立った。50代女性は、帰宅した中学生の息子が「早く大人になって帰化する」と話した体験を明かした。コンビニ店に買い物に出かけた際、デモを目にして衝撃を受けた様子だったという。調査に協力したNPO「コリアNGOセンター」(大阪市生野区)にも「小学生の子どもから『朝鮮人ってあかんことなん』と聞かれた」という母親からの相談などが寄せられている。在日3世の金光敏事務局長(43)は「世情が変わったと感じている人は多い。特に子どもを持つ親は『社会は助けてくれず、自分たちで守るしかない』と悲壮な覚悟を迫られている」と話す。
 街宣によるヘイトスピーチは関西にとどまらない。横浜市在住の在日3世の徐史晃さん(34)は5年前、東京・銀座で永住外国人の地方参政権を求めるデモ行進をしていた時、200人ほどの集団からヘイトスピーチを浴びせられた。顔のすぐそばで「朝鮮人は帰れ」「死ね、殺せ」と繰り返された。「ここまで言われるものか。もうやめてくれ」と思ったが、目をそむけて反論できなかった。「日本社会でどうやって生きていけばいいか、深い絶望感にとらわれた」
 ショックを受けたのは、「(朝鮮人虐殺が起きた)関東大震災が頭をよぎった」という50代男性の言葉です。結局、この事件をきちんと解明して反省をしてこなかったことがひとつの原因なのかなと思いました。たまたまその頃、『九月、東京の路上で』(加藤直樹 ころから)や『関東大震災』(吉村昭 文春文庫)といった優れた本を読んでいたので、関東大震災における虐殺の碑をめぐる旅をこころみました。
by sabasaba13 | 2016-11-02 06:27 | 関東 | Comments(0)
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