虐殺行脚 千葉編(5):松尾(16.9)

 駅からすこし歩くと古色あふれる下見板張り木造家屋がありました。事務所として使われているようですが、鬼瓦に「水」という字と家名が記されているのに気づきました。
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 その先にあった「シノヅカ」というお店の看板を見ると、「宝飾 時計 メガネ 補聴器 テニス」… テニス? 何とも唐突に記されていたので驚きましたが、ご主人はよほどの庭球ファンなのでしょうか。同志よ。
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 そして成東駅に戻り、銚子行総武本線に乗って松尾駅に着いたのが11:21です。こちらの駅舎は古武士のような風格のある木造建築で、1898(明治31)年開業時のものだそうです。印刷して持参した地図を頼りに十数分歩くとお目当ての日本基督教団九十九里教会(千葉県山武市松尾町松尾60-1)に着きました。竣工は1884(明治17)年、切妻屋根に下見板張りの質朴な外観ですが、入母屋造の玄関ポーチがチャーミングです。驚いたのは、設計者があのヘボン式ローマ字で有名なヘボン(ジェームス・カーティス・ヘップバーン)だということ。彼は伝導のためここ松尾の地を訪れ、教会堂の創建にあたって、寄付金総額の三分の一にあたる200円を投じました。それに加えてヘボンは自ら設計図を引き、直接教会建設の指揮をとったそうです。教会堂の屋根は急勾配で、瓦職人が恐々作業にあたり、また室内には柱を一本も使わないなどの指示に辟易して、棟梁が3人も替わったとのこと。聖書の研究や英語の学習に情熱を注いだ往事の人びとの熱い息吹が伝わってくるようです。

 さて次は船橋に行って市営馬込霊園に寄りたいのですが、列車が来るまで小一時間あります。幸いなるかな、駅前に「寿々木」という洋食屋がありましたので、ここでゆっくりと昼食をとることにしました。まったく期待もせずにチキンカツ定食を注文したのですが、鄙にも似ず(失礼)、これがとても美味でした。肉汁あふれる鶏肉にクリスプなころも、味わい深いソースに舌鼓を打ち、食後の珈琲を楽しみながら読書にいそしんでいると、あっという間に一時間が過ぎました。ごちそうさまでした。
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 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2017-01-29 06:35 | 関東 | Comments(0)
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