伝わらぬ人には百万言を費やしても何も伝わらない。音楽的メッセージとは、そういう性質のものなのだ。(さだまさし)
晩年のある日、彼女はこう言った。原爆を生む悪魔は私の心の中にもすんでいる。向こうが落とさなきゃこっちが落としている。戦争というものはそういうものだよ、と。だから恨むなら兵器じゃなく、戦争そのものだよ。ヒロシマ・ナガサキが戦争の歯止めにならなきゃ、皆浮かばれないじゃないの、と。(さだまさしの叔母)
ぼくは、広島へ行って、驚いた。これはいけない、と狼狽した。ぼくなどは「ヒロシマ」を忘れていたというより、実は初めから何も知っていなかったのだ。今日もなお「ヒロシマ」は生きていた。それをぼくたちは知らなさすぎた。いや正確には、知らされなさすぎたのである。(
土門拳)
にほんの ひのまる
なだて あかい
かえらぬ
おらがむすこの ちであかい (おはん)
私を、あの人と、代わらせてください。私は神父。妻もなければ、子もいませんし、それに年寄りです。彼を、あの若い彼を、妻子のもとにかえしてやってください。(マキシミリアノ・コルベ)
ごらんなさい 母よ
あなたの息子が何をしようとしているかを
あなたの息子は人を殺そうとしている
見も知らぬ人をわけもなく突き殺そうとしている
その壁の前にあらわれる人は
そこであなたの柔しいもう一人の息子の手で
そのふるえる胸板をやにわに抉られるのだ (中野重治 『新聞にのった写真』)
映画は真実を伝える眼であり、政治や社会の不正を批判し、本当に大衆の幸福を願うものでありたい。(
山本薩夫)
僕は若いヤツらには、電信柱にしがみついて、身体を鎖でくくりつけてでも戦争には行ったらあかん、親兄弟にまで国賊と罵られても山の中に逃げろと言いたい。(井筒和幸)
戦争はすべての人間から末来を奪う。私たちが愚かだったとすれば、それは末来を考えることの出来ない坩堝の中にいたためである。(佐藤愛子)