近江編(20):京都(15.3)

 そして自転車を返却して近江八幡駅へ。明日は桂離宮と修学院離宮を訪れるので、今夜は京都に泊まります。琵琶湖線快速列車に乗って三十分ほどで京都駅に到着。八条口から歩いて十分ほどのところにある京都プラザホテルにチェックインをして部屋に荷物を置き、夕食をとるために駅方面へと行くと、途中に巨大な「イオンモール」がありました。最近よく見かけますがどうも好きになれずに、忌避してしまいます。インターネットで調べると、基本理念は「お客さま第一」、経営理念は「イオンモールは、地域とともに「暮らしの未来」をつくるLife Design Developerです。(※Life Designとは商業施設の枠組みを越えて、一人ひとりのライフステージを見据えたさまざまな機能拡充を行い、ショッピングだけでなく、人との出逢いや文化育成なども含めた"暮らしの未来"をデザインすること)」だそうです。「お客さま第一」か… トランプ大統領も小池百合子都知事もよく使う表現ですが、少々違和感を持っております。アメリカや都民やお客様を第一に考えるということは、他の者は犠牲になってもよいということを含意しているのではないでしょうか。社会や人間ってそんなに単純なものではないと思うのですが。その違和感に言葉を与えてくれたのが、橋本治氏です。『たとえ世界が終わっても』(集英社新書0870)から引用します。
 だから、「この先どうするの?」って話だけど、「大きくならない金儲けの方法」って、実はすごく簡単なんです。「今、本当になにが必要なのか?」っていう実体経済に根差した需要をきちんと見極めて、自分たちの出来る限りのものを作って供給するっていうことだけやってりゃいいわけよ。そういうことやったって「大きく儲かる」ということは起こりませんけどね。でも、そういう「小さな産業」とはいわないけれども、個人商店のようなものがいくつもあれば、自ずとリスクも分散されることになる。それって、ビジネスとして考えても、危機管理の鉄則にかなっているいいやり方なんですよ。シャッター通りもなくなるしね。
 ところが、大国幻想を持っている人たちは、そういうめんどくさいことを考えないわけです。日本は中小や零細企業が多くて、昭和の30年代くらいまでの日本政府は、そういう企業をなくして大きくしなきゃだめなんだと思ってた。そういう流れは潜在的にその後もあるから、「小さな商店はもう成り立たないから、全部でっかく統合して、なんでもかんでもイオンみたいな巨大なショッピングモールにしよう」っていうことになる。でも、そのショッピングモールの業績が傾いたら、「ここの支店は採算割れだから閉店します」になる。そうなると、今度は、その地域の人たちがなんにも買えなくなるわけでしょ? そういう事態は、地域の過疎化によって、もう実際に起こってる。(p.124~5)
 そう、採算割れをしたら閉店するはずです。つまり「お客さま(の持っているお金)第一」ということですね。街のためにイオンモールがあるのではなく、イオンモールのために街がある。イオンモールのために地元資本の小商いが壊滅してもしったこっちゃない。そう、「経済」の申し子です。足早にその付近から立ち去り、京都駅の「京とんちん亭」に入って、ねぎ焼きとしめをいただきました。
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 売店で地酒を購入してホテルへ戻り、明日の旅程に思いを馳せながら就寝。

 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2017-07-31 06:22 | 近畿 | Comments(0)
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