近江編(24):桂離宮(15.3)

 さあ出発時間です。参観人数は二十人ほど、前に説明担当の方、後ろに歩みをせかす係の方が配置され、サンドウィッチ状態での見学となります。入口を抜けると、両側を生垣にはさまれ正面に小ぶりの松(住吉の松)がある細長い岬がありました。この生垣と松のために、池と松琴亭が見通せません。景観への期待と想像をもたせるために焦らしているのですね。この松は「衝立の松」とも言うそうです。
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 そして天皇や上皇を迎えるための御幸道(みゆきみち)へ、桂川の青黒い小石が敷きつめられた「霰こぼし」の道です。すこし歩くと、先ほどの表門からの苑路にある御幸門に着きました。
 後水尾院の行幸に備えて建てられたもので、切妻造茅葺の素朴な門です。樹皮がついた棈(あべまき)の太い柱が印象的です。屋根裏は葭と竹を組み合わせたもので、思わず写真を撮りたくなるような意匠でした。なおこのあたりからは、先ほどの「桂垣」の裏側が見られます。(写真はピンボケですが)
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 御幸道をすこし戻って左の苑路を歩くと、薩摩の島津家から献上された蘇鉄が植えられています。「蘇鉄山」ですね。寒さ除けの藁が巻いてありましたが、編んである筵ではなく、編まないままの藁を庭師が昔ながらの方法で巻きつけているそうです。見事な職人芸ですね、まるで現代アートのようです。
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 この奥にあるのが、茶室「松琴亭」のためにつくられた「外腰掛」です。なるほど、珍しい蘇鉄を見ながらここで待つわけですね。飛び石は、橋本氏が"美しい配色"と絶賛したものですが(p.21)、陽の光が強くてよくわかりませんでした。無念。次の「外腰掛」へと続く延段(敷石道)は自然石と切石を混ぜた洒落た意匠で、眼を楽しませてくれます。なお古書院御輿寄前の「真の延段」、笑意軒前の「草の延段」に対して「行の延段」と呼ばれるそうです。加工石を「真」、加工石と自然石を「行」、自然石を「草」と言うのですね。
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 こちらにあった、升を二重に組み合わせた手水鉢はモダンな造形。秋の刈入れ後の収穫を象徴しているとのことです。「外腰掛」は、間口三間の茅葺寄棟造り、田舎家風のオープンで質素な待合です。葭と竹と生木のコンビネーションの妙が楽しめる、天井板を張らない化粧屋根裏が見どころ。
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 本日の四枚です。
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by sabasaba13 | 2017-08-21 07:02 | 近畿 | Comments(0)
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