近江編(68):竹生島(15.3)

 数分ほどペダルをこぐともう長浜港です。自転車を駐輪場に置き、往復乗船料3070円を払って10:15出港の「べんてん」号に乗り込みました。そして定刻通り、出航。♪うなれ潮風 さかまけ怒涛 行こう乗り出せ 七つの海へ 冒険求めて 碇をあげろ♪などと口ずさんでも、「海賊王子」なんて知らない方が多いでしょうね。オープンデッキに出ると、長浜の街と伊吹山を眺望することができました。
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 残念なことに曇天ですが、鏡のような湖面を船は航走し三十分ほどで竹生島に着きました。2キロの小さな島ですが、西国三十三カ所観音めぐりの三十番札所「宝厳寺」や「都久夫須麻神社」のある島として、古来より人々の厚い信仰を集めてきた島です。お目当ては、受験用日本史知識として頭に詰め込んだ「都久夫須麻神社本殿」です。「詳説日本史B」(山川出版社)から引用します。
 入母屋造・檜皮葺の建物で、伏見城内の殿舎を移築したものである。屋根の唐破風、豪華な透し彫をほどこした扉など、桃山時代の華やかな趣きをよく示している。
 港に着いて上陸すると、「琵琶湖周航の歌」の碑が出迎えてくれました。
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 いいなあ、私、この歌が大好きです。波間に揺られるような三拍子にのった優美なメロディが魅力的。
 瑠璃の花園 珊瑚の宮 古い傳への竹生島 佛の御手にいだかれて ねむれ乙女子やすらけく
 裏には建碑の由来が記されていたので、後学のために転記します。
 琵琶湖周航は 第三高等学校に伝わる漕艇の行事であるが 明治廿六年四月 新艇三隻に分乗して初めて周航を行って以来 年と共に盛んになり ボートの選手のみでなく 他の運動部の者も 広く一般の学生も 誰もがクルーを作って湖上に漕ぎ出すようになったものである。
 或時は力漕に力漕を重ね 練習第一の遠漕に汗を流し 或時は湖上の風物に詩情を養い 史跡名勝を訪ね 人情を探り漕友互に苦楽を共にして数日の周航に多感の青春を謳歌した
 偶々大正七年 三高クルーの整調小口太郎等が作詞したこの歌は こうした周航のムードがそのまま歌となったもので吉田千秋作曲のメロディーの美しさと相俟って 学生から広く全国民の愛唱する処となり 若者の歌 琵琶湖の讃歌として 永く歌い継がれて来た
 茲に 琵琶湖の歴史を思い周航歌の一節を碑に刻んで ゆかりの聖地竹生島に建て 湖国の恵みを偲ぶよすがとする次第である

 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2018-01-29 08:29 | 近畿 | Comments(0)
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