途中に「ぼく、京都のおまわりさんになるねん」という、京都府警察官募集のポスターがありました。いやあ雅ですねえ、肉汁にあふれた大阪府警官募集ポスター「
草食系より大阪府警。」とはえらい違いです。おっいつも何となく気になる「京都警察犬学校」の看板も健在でした。
あちらこちらで咲き誇る桜を愛でながらのんびりと歩き、随心院に着きました。
このあたりは小野の里といい、小野小町に関する由緒を売り物にしているお寺さんですね。もしや桜の穴場かなとほのかに期待したのですが、あまりありません。梅は満開でしたが。グラデーションに富んだ見事な大杉苔のある池泉庭園を、心静かに拝見。
そして流しのタクシーをつかまえて大石神社に向かいました。なお後日わかったのですが、醍醐寺とバス路線で結ばれているので、バスで行くこともできます。十分ほどで到着、タクシーには待っていてもらいましょう。こちらは大石内蔵助の隠棲地に1935年に建てられた新しい神社です。以前に訪れたことがあるのですが、「大石桜」と名付けられた枝垂桜の大木があります。参道のソメイヨシノ並木は、まだ五分咲きでした。咲き揃ったらさぞや見事でしょう。そしてお目当ての「大石桜」は、並べてかけられた提灯の列を抱きかかえるように咲き誇っていました。観光客の姿もほとんどなく、落ち着いて桜を愛でることができます。ここは穴場、お薦めです。
待機していただいたタクシーに乗り込み、勧修寺に行っていただきました。真言宗山階派の大本山で、皇室との関係も深い門跡寺院です。桜の数は40本ほどでそれほど多くはありませんが、観音堂をとりまくように咲く桜が氷室の池にきれいに映って風情がありました。水戸光圀より寄進されたと伝わる「勧修寺型灯篭」や、亀甲垣、さざれ石に臥竜の老梅など、ちょっとした見どころも満載です。
またそこいらじゅうにある能書きや御託も、けっこう楽しめます。"「サクラ千本・ウメ1リン」と申します。サクラの花は沢山咲いているのが美しい ウメの花は寒風の中でたった1リン咲いて居るのが美しい (=茶道の心得)"、"ウルシです さわってはいけません"、"このシバフにてご休息下さい この先出口に至ります"、"希望に起き 愉快に働き 感謝に眠る"などなど。
極めつけは、氷室の池をめぐる小道の入り口に掲げられた"この先行かれるのはご自由ですが大いに危険"という札。なんだなんだ、蝮が出るのか、スズメバチの巣があるのか、落とし穴が掘られているのか、自民党京都支部があるのか…実は以前に探訪して確認済み、何も危険はありません。でも
放射性廃棄物の最終処分場が密かに作られているかもしれません、再度歩いてみましたが…やはり何もありません。秘すれば花ということにしておきましょう。
本日の四枚、上二枚が大石桜、下二枚が勧修寺です。