京都錦秋編(10):神護寺(05.11)

 そして神護寺へ。数百段のきつい石段を上ると、ここもまた素晴らしい紅葉でした。顔を真っ赤に染め上げるようなもみじを眺めながら湯豆腐定食をいただきました。おまけの「もみじのてんぷら」には笑えますね、これはクッキーだ。
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 定番・王道・定石のかわらけ投げに挑戦。実は山の神には「三大修学旅行でやれなかったこと」があり、トラウマとなっているようです。その一つが、神護寺でかわらけをちゃんと投げ飛ばすこと。もうあと一つの「東大寺大仏殿の柱の穴をくぐる」は、二年前に目出度くクリア。あと一つの「清水の舞台から飛び降りる」は生命保険に加入してからにしてくれと懇願しています。さて珍しく「どう投げたらいいの?」と小生を頼るいじらしい問いかけに、涙ぐむ私。ようがす、人生感意気、功名誰復論、手取り足取り腰取り教えてあげましょう。とはいうものの、大学の一般教養課程で「かわらけの投げ方」を教わっていないし、NHKの趣味講座でみたこともないし、どうしよう。とりあえず空気抵抗を考えて凹面を下にし、回転を十分にかけてフリスビーのように投げればよいとアドバイスしました。一投目、失敗。へろへろとぶれながら即落下。二投目、リリースポイントが遅すぎて右へ大きく曲がり右下の崖を直撃。身の危険を顧みず回収し、三投目。失敗。これは駄目だと悟り、私はサイドスローの要領で投げてみると、多少フックしましたが弧を描いて宙空に吸い込まれていきました。二投目も成功。「知ってたのに教えてくれなかったでしょ」と詰る山ノ神を「他山の石、覆轍、塞翁が馬、禍福はあざなえる縄の如し」としどろもどろに宥めながら、本殿へ。弘仁貞観文化を代表する仏像、森善朗前首相にくりそつな薬師如来像を拝んで、下山しました。なおこちらには教科書でおなじみの「伝源頼朝像」がありますが、残念ながら見られません。なお米倉迪夫氏は「源頼朝像 沈黙の肖像画」(平凡社)の中で、この像主は頼朝ではなく足利直義だという大胆な説を主張しておられます。その論証の鮮やかさには脱帽。この本は下手な推理小説より面白いですよ、歴史の森にわけいるという純米大吟醸の喜びを満喫できます。
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 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2006-02-15 06:45 | 京都 | Comments(0)
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