松江・萩・津和野編(2):松江(04.3)

 さてふたたび自転車にまたがり、まずは普門院へ。そうそう言い忘れましたが、松江藩では江戸後期に松平不昧(ふまい)という大名茶人が統治をし、茶の文化が花開き今に伝わります。流派にとらわれず「諸流皆我が流」を標榜した茶人だったようです。このお寺さんにも「観月庵」という茶室があるので拝見。藁葺き屋根と荒壁、四畳半と六畳の山里の茅屋ふうの茶室です。もらったパンフレットを読むと、野鳥研究家の中西悟堂がここの住職をつとめたことがあり、友人の野口米次郎(詩人)も訪れたとあります。ん? イサム・ノグチの父親ですね。
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 そして旧日銀松江支店を修復した土産屋「カラコロ工房」をひやかしました、何も買わなかったけれど。小泉八雲が松江大橋を渡る人々の下駄の音を愛したところから名づけられたとのこと。不昧の指図で建てられた茶室「菅田庵」を見るために予約の電話を入れたところ、つながらず。残念、今回はあきらめました。次なるは不昧の好みによって建てられた茶室「名々庵」。松江城天守閣を遠望できる高台にあります。こちらは同じ藁葺きでもやや豪壮な印象を受けます。
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 私自身は茶の湯とは全く縁がないのですが、いたく興味をもっています。豪華さ/珍奇さが欠けているが、簡素で味のある実用品に、これまで誰も気づかなかった“美”を見出したのが、千利休の侘び茶。そして洒落た露地をともなう茶室という美的空間の中で、俗世間の人間関係・身分を捨てて、美と茶を味わいみんなの心が一つになる。茶の湯とはそんなもんだと勝手に思っております。各地に旅すると、時間の許す限り茶室を訪れるようにしていますが、その洗練された趣味の良さには魅かれますね。日本文化の良質な一面を代表するのが、茶室だと思います。現代の資産家諸氏も、こういうところに金をかけてくれればいい職人が育つのだけれどなあ。
 そして武家屋敷を見物して、当時の武士の質素な暮らしに感心。支配者がこれほど地味な生活をしていたというのは、世界史的に見ても珍しいのでは。外に出て、塩見縄手をしばし散策。武家屋敷が建ち並び、松江城の堀と老松が風情をそえる、素敵な道です。

 本日の一枚は塩見縄手です。
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by sabasaba13 | 2006-05-07 09:15 | 山陰 | Comments(0)
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