本日は最終日です。急行バスで東萩駅から津和野へ直行しました。駅前で自転車を借り、まずは定番、なまこ壁と鯉が泳ぐ堀割のある美しい殿町を徘徊しました。江戸時代には家老屋敷があつまっていたところです。カトリック教会を拝見すると「乙女峠展示室」がありました。前述した長崎浦上村から送られてきた153人の隠れキリシタンが、津和野藩の改宗のすすめに応じず、ついに拷問によって36人が殉教した場所が乙女峠です。
しばし見学して津和野川に出ると、青空と満開の桜と菜の花、柳の若葉が目に沁みるほど見事。青、ピンク、黄、緑、色の饗宴ですなあ。しばらく川ぞいの気持ちの良い散歩道を快走し、菜の花が大好きな小生は写真を撮りまくりました。桜並木が見事な鷲原八幡宮流鏑馬の馬場を見物して、西周・森鴎外の旧居を見学。鴎外旧居は、彼の文体のようにピシッと引き締まった質素な家でした。
「とりあえず一番高い所に上る」という山ノ神の教えに従い、リフトで津和野城址へ。終点から十分強坂道を登ると、石垣の残る城跡へ到着します。青野山の麓に津和野川に寄り添うようにひろがる街並みが、手に取るように眺めることができました。日本の原風景の一つかなという気もします。山々に囲まれた盆地=小宇宙… 鴎外はこの眺めを見たかったろうな。しばらく眼下の風景を睥睨・堪能した後、坂道を降り始めると、山ノ神が近道を発見したようです。「こっちが早いぞよ」という託宣がポンッと出ました。石垣が崩れているので「立入禁止」となっている柵を平然とくぐり、スタスタと歩いていくではありませんか。オロオロしながら後をついて行く小心者のわ、た、し。以前につくった旧作です。
たるたると春に揺るるや妻の尻 邪想庵
本日の二枚は、津和野川の菜の花と、城址から眺望した津和野です。