常陸編(5):常陸太田(06.4)

 街の徘徊は後回しにして、まずは水戸光圀の隠居所である西山荘に向かいましょう。太田一高前の坂道を駆け下り、橋を渡りしばらく行くと十分ほどで到着です。ん? 入り口の脇に「出征軍馬 馬力碑」という小さな石碑がありました。このあたりは軍馬の生産地だったんだ。それにしてもかくの如き物件を見つける動態視力はわれながら凄いですね。誰も誉めてくれないので、自分で誉めてあげます。えらい! 自転車を置いて徒歩で西山荘に向かいますが、その前に小用をすませようと「桃源」という土産屋前のトイレに入ると、人口のせせらぎが配された洒落たものです。全国さわやかトイレベスト10にも入賞したそうな。
 西山荘に行く道の右手に大きな池と晏如庵という茶店と「朱舜水碑」がありました。朱舜水、祖国滅亡の危機を救わんと奔走するが思い果たせずに、水戸藩の保護を受け学問を教授した明の儒学者です。
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 そして西山荘に入りましたが、ここは素敵な山荘ですね。木立と清流、苔と竹林、そして萱葺の質朴な建物。残念なことに陽光は輝かず薄曇りなのですが、若葉の色の見事なこと見事なこと。さまざまな色合いの緑が織り成す饗宴には、言葉を失い茫然自失。紅葉もいいけれど、若葉の素晴らしさにも開眼いたしました。また人生の喜びが一つ増えたぞっと。
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 母屋はいかにも武士の隠居所らしく、質素かつ武骨なつくりで、瀟洒な意匠はほどこされていません。離れにある萱葺の薄暗い資料館に入り展示物を眺めていると、中央に大きな障子のある部屋があります。何気なくその右手に回り込むと、突然「わしはなあ…」と誰かに話しかけられ、ぎくっとして右を見ると白髯のご老人が障子に向かい端座しています。ふたたび、どきっ。もちろん光圀を模した蝋人形でした。この仕掛けは心臓に悪いですね。世界三大びっくり展示の第三位にノミネートしましょう。ちなみに第二位はブリュッセルにあるベルギー国立美術館。現代美術の展示室で、吊るされた鐘の前に置かれた人形が、突然頭突きをくらわしてグワンと大音響を発した仕掛け。第一位はストックホルムの武器博物館。展示されていた軍馬の剥製の後ろ足が、ふいにバケツをガーンと蹴るという仕掛け。光圀の首が「エクソシスト」の一場面のように、270度まわってこちらを凝視すれば、もっとポイントはあがります。
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 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2006-07-06 06:19 | 関東 | Comments(0)
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