常陸編(9):笠間(06.4)

 30分ほどで親鸞ゆかりの西念寺に到着。師の法然とともに流罪に処せられ越後に約四年間滞在し、許された後ここ稲田を根拠として伝道活動を行ったのですね。「教行信証」はここで著せられたそうです。木立に包まれた萱葺の山門をくぐると、そこが西念寺。その門前にある真宗林照寺には質朴な萱葺の本堂があり、惹きつけられました。由緒書を読むと、天命の大飢饉の際に、笠間藩が荒廃した農地を復旧するために北陸の真宗門徒を移住させ、その精神的紐帯としてつくられたお寺さんだそうです。特徴のある屋根は、北陸の民家を模しているのでしょうか。
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 そして「石の百年館」へと向かいます。はじめて知ったのですが、ここ稲田は御影石の名産地なのですね。最高裁や明治生命ビルなどにも使われているそうです。石工と浄土真宗の間には、何か関係がありそうですので、心にとめておきましょう。小さな資料館ですが、鑿やハンマー、運搬のための修羅など実際に使用された道具に触れることができるのはいいですね。採掘の労苦と尊さがびしびしと伝わってきます。なお観光パンフレットの写真に、エジプトの古代遺跡のようにスケールの大きな採石現場の写真があったので、係りの方にその場所を尋ねると立入禁止とのことでした。だったら載せるなよなあ。これはぜひ公開してほしいと思いますね、善処を期待します。係りの方は申し訳なさそうな表情で、御影石のかけらをくれました。多謝。なお切り立った御影石を間近で見られる「石切山脈」があるそうなので、しばらく上り道を走りましたがなかなか着きません。時間もないことだし早期に断念、引き返して笠間市内に戻りましょう。
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 本日の二枚、上が西念寺、下が林照寺です。
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by sabasaba13 | 2006-07-14 05:58 | 関東 | Comments(0)
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