房総半島編(14):大多喜(06.7)

 そして夷隅神社に到着。もちろん六斎市は開かれておりませんが、空想の中でその光景に思いを馳せました。なお境内には、西南戦争以後の戦死者を祀る表忠碑がありました。本殿には祈祷・出張祭典の案内が貼ってあり、「井戸堀埋清祓」とあるのには眼を奪われました。さすが上総掘りの本場ですね。と同時に井戸に神性を感じるメンタリティがまだ残っているということなのでしょう。
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 そして最後の訪問先、大円寺へ。ここには「庄司起(き)くの碑」があります。彼女は旧姓野々宮、樋口一葉の友人だった女性です。一葉は起くの紹介で半井桃水に小説の手ほどきを受けたそうです。その奥には大多喜老人福祉センターがあり、「大多喜町心配ごと相談所」という表札がかかっていました。
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 そうだよね、カウンセリングとか、メンタルケアとかわけのわからない外来語よりも、「心配ごとの相談に乗るよ!」と言われたほうが心も楽になります。わが敬愛するジョージ・オーウェルも、文章の心得としてこう言っています。
1.印刷物の上で見慣れている隠喩や直喩やその他の修辞を決して使うな。
2.短い語で十分なときは決して長い語を使うな。
3.一語削ることが可能な場合には常に削除せよ。
4.能動態を使える時は決して受動態を使うな。
5.相当する英語の日用語を思いつける場合には、外来の句や科学用語や専門語
  を決して使うな。
6.野卑むき出しの言葉づかいをするくらいなら、これらの規則のどれでも破れ。
 昭和初期から運行した国鉄木原線や外房線などの行き先方向板や動く鉄道模型など約1,000点が常設展示されているという房総中央鉄道館に寄ってみましたが、残念ながら改修中でした。そして自転車を返却して、いすみ鉄道で大原に戻り、特急列車に乗って帰郷。
by sabasaba13 | 2006-08-13 07:16 | 関東 | Comments(0)
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