東北夏祭り編(1):前口上(06.8)

 八月初旬、かねてから念願の東北夏祭りをめぐる徘徊に、山ノ神と二人でらっせらあらっせらあらっせらっせらっせらあと行ってきました。きっかけというほどのものではないのですが、若い頃に読んだ星野之宣の「ヤマタイカ」という漫画にでてくる青森ねぶたの熱狂的な場面が忘れられず、いつか見てやるという想いを抱き続けてきました。四年前の青森旅行で訪れた「ねぶたの里」で実物を見てその想いはさらに強まり、昨年の青森旅行でお世話になったタクシーの運転手さんから青森市内で宿がおさえられなくとも三沢に泊まれば大丈夫だよと唆され、そして何よりも大事な山ノ神の「よかろう」という御託宣も得られ、決行を決意するにいたった次第です。パックツァーで行くのも一つの選択肢かと思い、パンフレットをいくつか吟味しましたが、没! あまりにも自由な時間と自由な食事が少なすぎだし、土産屋をひきずりまわされるのも真っ平御免。やはりいつものように個人旅行で行くことにしました。大変な混雑が見込まれるので、今回は小生にしては異例なのですが三ヶ月前から綿密にして緻密、悪魔の如く細心かつ天使の如く大胆な計画をねりました。何はなくとも江戸紫、まずは宿をおさえなくてはなりません。秋田竿灯も見たいので、青森市周辺で三泊、秋田市周辺で一泊と計画し、日頃愛顧している「楽天トラベル」で調べたところ、当然の如く両市の宿は満杯。秋田については、大曲でどうにかビジネスホテルをおさえることができました。問題は青森です。三沢の宿はとれましたが、五所川原・弘前・黒石のいずれかのねぶた(ねぷた)を見ることを計算に入れると、いかんせん遠すぎます。とりあえず仮押さえしておいて、他の物件を物色しました。位置的には弘前がベストなのですがここも満杯、五所川原も駄目。チェック・メイト、と諦めかかっていたときに、漫画「スラムダンク」に登場する安西監督の名台詞、小生の座右の銘が脳中で鳴り響きました。「あきらめたら、そこで試合終了ですよ」 うしっ、もう一頑張り。その結果、捜査線上に浮かんできたのが、弘前から列車に乗って南に十数分ほどのところにある大鰐温泉です。お風呂が大好きな山ノ神のご機嫌も取れるし、位置的にもベター。乾坤一擲、一縷の望みをかけて後藤旅館という宿に電話をしてみました。以下、津軽弁で話すご主人とのやりとりです。「ええ空いてますよ」「(やったあ、安西監督ありがとおっ)それではお願いします」「でもほんとにいいんですか?」「えっ」「うちは古いですよ」「はあ」「部屋にトイレもありませんし」「…」「座敷童子も出ますし」「……」 最後のは冗談ですが、ちょっと腰が引けてしまいました。しかし贅沢は言っていられない、夕食なしで朝食付きという好条件にも惹かれて宿はこちらに決定。
by sabasaba13 | 2006-08-26 22:26 | 東北 | Comments(0)
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