東北夏祭り編(12):青森ねぶた(06.8)

 さて席につきましょう。夢には見ませんでしたが、いよいよ念願のねぶた見物です。わくわく 眼前で見るねぶたはたしかに凄い迫力ですが、あまりにも大企業色に染まっています。企業のCMをあしらったディスプレイが先導し、ねぶた本体にもCMを記したプレートがべたべた貼ってあります。そして企業名のついた浴衣を着た跳ね人たち。サービス残業でかり出されたのか、あるいは時給740円で雇われたアルバイトではないかと邪推してしまいます。制作費用が一台2000万円というのですから、大企業の資力を借りざるをえないのかもしれませんが興ざめです。
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 また各所に配置されたねぶたが同時に運行するので、渋滞が多くリズムがとぎれていました。その間、手持ち無沙汰で退屈そうな様子の跳ね人たちを数多く見かけました。「らっせらーらっせらー」と掛け声をあげながら、みんなで跳ね踊り続けるのかと思っていましたが、そうではありません。疲れるからかもしれませんが、時々踊って後はだらだら歩くという感じです。しかもロープで囲まれながら、きっちりと統制されています。囃子や太鼓については、マイク・アンプ・スピーカーが多用されており、弘前ねぷたのような臓物を揺るがすような迫力は感じられません。そうそう「乳がん検診に行こう!」という横断幕をもつ団体がありました。チェルノブイリ事故と下北半島にある原発が原因なのかもしれません。
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 というわけで正直言って失望しました。地域で共に暮らす人々が、できる範囲での叡智と資金を結集して、みんなで祈り楽しむ祭りではないのですね。とにかくど派手なねぶたを期待する観光客の側にも責任の一端はあると思います。このままでは(見たことはありませんが)ディズニーランドのエレクトリカル・パレードもどきになってしまうのではないかと懸念します。しかし「私たちのねぶた自主製作実行委員会」というグループもねぶたを運行していたので、こうした動きに異を唱え危機感を覚える人たちもいるのでしょう。頑張って、コマーシャリズムから青森ねぶたを取り返してください。老爺心ながら青森ねぶた鑑賞ポイントです。
1.有料観覧席はお薦めできません。周囲の人がやたらと立ち上がって写真を撮りまくるので落ち着いてみられません。それほどひどい混雑ではないので、空いている場所をみつけての立ち見がいいと思います。
2.ねぶたをくるくるまわし、前後を上下に揺する交差点のあたりがお薦めです。
 ぶちぶちくだをまきましたが、やはりねぶたそのものは凄い迫力でした。

 本日の四枚です。
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by sabasaba13 | 2006-09-09 07:22 | 東北 | Comments(0)
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