東北夏祭り編(20):秋田竿灯(06.8)

 会場の竿灯大通りは大変な混雑。人波をかきわけやっと有料観覧席にたどりつけました。通りの中央にある幅広の分離帯にパイプを組んで臨時に作った五段ほどの席の最上部、これはラッキー、反対側の竿灯も見ることができそうです。まずは佐竹秋田市長の挨拶です。ん? 佐竹? 秋田藩主の末裔のようです。ここまで年季の入った世襲制だと、恐れ入ってしまいます。最後に英語で挨拶をすると、観衆からどよめきがおこりました。いやはや市長が英語で話すと驚くようでは、「国際化」はまだまだ先のようですね。おまけに言うに事欠いて“Come back!”と結んだのには驚き桃の木山椒の木。温厚な山ノ神も頬をひきつらせて「Pleaseぐらいつけなさいよ」とぶつくさ言っていました。そりゃ失礼ですよね、カーニバルを見に行ってリオ・デ・ジャネイロ市長から「また来い」と日本語で言われたらむっとしますよ。さあ提灯に火がはいり、いよいよはじまりです。数十の竿灯が闇の中で屹立し、ゆらぐ姿は壮観にして幻想的です。アップ・テンポのお囃子と「どっこいしょ、どっこいしょ」という掛け声とともに、竿灯を頭、口、肩、腰へと移し変える妙技がくりひろげられます。まさしく風に揺らぐ黄金の穂波、これは素晴らしい。大企業の名前入りの提灯や半纏も散見されますが、目障りなほどではありません。あくまでも主体は町の方々で、企業はそれに寄付という形で協賛してそこそこの売名をしているのではないかと推測します。少なくとも雰囲気をぶち壊すような派手なディスプレイ等は見かけませんでした。それから女性演者を見かけなかったような気がします。しきたりなのか、体力的に無理なのか、判断はつきかねますが。
 なおわたしゃてっきり、竿灯を掲げながら通りをぐるぐると移動するのかと思っていましたが、同じ場所にずっと留まるのですね。前半と後半で位置替えはありますが。おっ、目の前で竿灯が倒れました。火は提灯に(不思議ですが)燃え広がらず消えてしまったようです。さあどうするのかと、はらはらしながら見守っていると、数人の演者が駆け寄りチャッカマンを使って手際よく火をつけていきます。時間にして数十秒、すぐに元通りに復帰し再び掲げられました。お見事! われわれはこの修復作業を「ピット・イン」と名づけました。これも修練の賜物なのでしょう、昼の部で公式種目に取り入れてほしいですね。なお観客席上空には針金を張ってあるので、倒れてもそれにひっかかり(たぶん)危険はありません。最後に、ふれあいコーナーと称して、竿灯に触ったり記念写真を撮ったりする時間が設けられているのも秀逸です。帰宅の混雑も緩和されるという一石二鳥のアイデア、やるでねが! 内部の蝋燭が意外と小さいことに驚きました。余韻に浸りながら歩いて秋田駅に戻り、21:45発の横手行き普通列車に乗り込みました。そして列車は今夜の塒のある大曲に向けて夜の闇を切り裂きながら疾走したのでした。
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 というわけで釈迦に説法ですが、秋田竿灯の鑑賞ポイントです。
1.大変な混雑なので有料観覧席がお薦めです。もし指定できれば最上部の席がいいですね。
2.立ち見でしたら、二丁目橋前の広場が、二列となった竿灯を一望できるのでベスト。ただしここは大変な混雑です。
3.指定席番号が座る部分に記されているので、人が座っていると見えません。また演技開始数十分前から竿灯の入場が始まるので通りを横切ることが難しくなります。早めに行って席に着いた方がいいでしょう。
 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2006-09-25 06:13 | 東北 | Comments(0)
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