ボイコット

 11月16日、日本原燃は、最終試運転中の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ヶ所村)で、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)の粉末が精製されたと発表しました。来年の8月からいよいよ本格的な商業生産を始めるようです。
 拙ブログで何度も述べておりますが、私は原子力発電には反対です。原子力発電所や再処理工場から排出され内部被曝を引き起こす多量の放射性物質、目処がたたない放射性廃棄物の処理、地震や航空機事故や人為的ミスによる事故の可能性、ウラン採掘現場における被曝、発電所の運用や老朽化した原子炉や関連施設を解体するための莫大なコスト、そしていわゆる"テロリスト"による盗難の恐れ、それを防ぐためのコストと治安体制の強化、などなど理由は山のようにあります。(その詳細については「核大国化する日本」(鈴木真奈美 平凡社新書336)参照) 利点はCO2を出さないことだけではないでしょうか。本気で取り組めば、風力発電などで十分代替できるはずです。
 さてそれではどうやって原子力発電を廃絶に追い込むか? 推進を目論む政府や政党への不信任を突きつけるのは当然として、同時に原発関連企業に「割が合わん、こりゃあかんわ」と判断させて手を引かせることも一つの戦略だと思います。となるとやはり有効な手段は、古典的ですがボイコット(不買運動)でしょう。私たちは、労働者としては厳しい状況に追い込まれていますが、消費者としてなら企業に対して優位な立場にあります。それではどの企業の製品をボイコットすればよいのか? 実は11月14日の朝日新聞朝刊に次のような記事がありました。
「成長市場にらみ決断 日立・GE原発統合」
 原子力発電メーカーの業界が、相次ぐ再編劇によって3大陣営に集約されることになった。東芝によるウェスチングハウス(WH)の巨額買収、三菱重工業と仏アレバの提携に続き、日立製作所と米ゼネラル・エレクトリック(GE)が事実上の事業統合に踏み切る。世界的な原発市場の成長をにらみ、陣営の思惑が今後もうごめきそうだ。
 ほほお、こりゃええこと教えてもろた。世界有数の原子力産業6社のうち、3社が日本企業だったのですね。東芝が原発に関わっていることは、反原発を歌った曲を収録した「カバーズ」(RCサクセション)を発売停止にしたことで知っておりましたが、他の二社は知りませんでした。はい、決まり。ターゲットは、東芝と日立製作所と三菱重工業です。ボイコットの趣旨をメールで送った上で、力の限りこの三社の製品(もちろん関連企業のものを含めて)を買わないようにする所存です。
 「ルガノ秘密報告」(スーザン・ジョージ 朝日新聞社)に記されていた中国古代の言葉を胸に刻みましょう。
 自分が一番したいことはするな。敵がもっとも嫌がることをせよ。

 追記その一。出典は「孫子」かと思って捜したのですが、違うようです。ご教示を乞う。

 追記その二。フリー百科事典「ウィキペディア」によると、ボイコットの語源は次のような事だそうです。へえーへえー
 19世紀後半のイギリスでは、折からの農業不況によって小作人との争議が頻発していた。1880年、アイルランドの土地差配人(土地管理者)チャールズ・カニンガム・ボイコット大尉も小作人らと争議になったが、その際に周囲の村人が総出で大尉との関わりを断ってしまった。それによって大尉は飢餓状態に追い込まれ、最終的に小作人らの要求を受け入れた。

by sabasaba13 | 2006-11-27 06:13 | 鶏肋 | Comments(0)
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