北陸・山陰編(11):高岡(06.9)

 高岡は、梵鐘・銅像・花器・茶器など様々な銅器生産が盛んな鋳物の町で、国内シェアの90%を占めているそうです。なるほど、街を歩いていても銅版を貼った家を時々見かけました。しっかりとした地場産業をもっているためか、時代の流れに右往左往せず地に足がついた暮らしが感じられます。シャッターが閉まった仕舞屋も少ないようです。「飛び出し注意人形」にも、車に向かってタックルしそうな勢いで道路に飛び出そうとしている幼い少女が描かれていました。
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 まずは「格子造りの街並み」金屋町へ行きましょう。ここは気持ちのよい街並みです。車道・歩道の別ない石畳の路地の両側に、格子窓のある落ち着いた民家・商家が自然体で建ち並んでいます。観光客向けの目障りな物件や看板もなく、爽快な散策を楽しめました。「うだつ」のある民家も散見されます。なお未見なのですが「八月のクリスマス」という映画のロケで使用された写真館が、ここの一角にありました。次は「土蔵造りの街並み」山町筋へと向かいましょう。「金襴房紐フジモリ」「稲垣ヤスリ製作所」といった看板からも、暮らしの温もりが伝わってくるようです。途中にあった商工会議所の脇に鎖でつながれた梵鐘があったのですが、夜な夜なあたりを徘徊する呪いの梵鐘…ではなくてやはり盗難防止のためでしょう。せちがらい世の中ですね。銅で作られたサッカーボールを持つ少年と大黒さまも嘆いているのではないかな。
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 それからマニアの食指をそそるような標語もいくつか見かけました。「新世紀になうこの子にチャイルドシート」「反射材光るあなたの心がけ」「あいさつも励みの鐘も響いてる」「止まるはず老いの甘えが招く事故」 最後のものはなかなかきつい一物です。
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 などときょろきょろしながら歩くこと十数分、山町筋に到着です。重厚な蔵造りの商家が数十軒建ち並ぶ様はなかなか壮観。自動車が車道を行き交うので落ち着いて見られないので、少々難儀しましたが。そしてよく目についたのが仏壇屋です。高岡仏壇として名を馳せているようです。赤煉瓦の銀行の前を通り、高峰譲吉像を拝見。強力消化剤タカジアスターゼで有名な応用科学者の高峰譲吉は、この地の出身だったのですね。
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 なお「美の巨人たち」を見ていて版画家南桂子の故郷もここ高岡であることがわかりました。私もその存在をはじめて知ったのですが、シンプルにして味わい深い版画をつくられた方です。心に留めましょう。
●美の巨人たち http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/picture/f_060930.htm

 本日の三枚です。
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by sabasaba13 | 2006-12-01 07:46 | 中部 | Comments(0)
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