北陸・山陰編(29):足立美術館(06.9)

 さて倉吉駅に着き、米子まで移動です。駅の売店で「境港産 焼き鯖すし」を売っていたので、即購入。車内でいそいそとたいらげました。うーん、やはり近海産の鯖は旨い。ノルウェー産との違いは一目瞭然、ブラインド・テストをしてもスワローズの勝率ぐらいには当てる自信があります。
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 そして米子から無料送迎バスに乗って、足立美術館に向かいましょう。車窓からは赤瓦の屋根をよく見かけたので、このあたりは石州瓦圏内なのでしょう。
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 30分ほどで足立美術館に到着です。ここは数年前の山陰旅行で時間がなくて行けなかったところです。ここは地元出身の実業家、足立全康氏が創設した美術館で、米国の庭園専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」(JOJG)が発表する「日本庭園ランキング」で4年連続「庭園日本一」に選ばれた庭園が売り物です。その何恥じず、16世紀半ばの毛利と尼子の合戦の際に、毛利軍が本陣を張ったといわれる勝山を借景にして、石、植え込み、白砂、池がバランスよく配置された見事な枯山水庭園です。おまけにこの時だけ太陽が雲から顔を出してくれたので、色のコントラストがよりくっきりとして感興もひとしお。また四角く繰りぬいた窓から庭園を眺める趣向も、なかなかけれん味があっていいですね。まるで屏風や掛け軸のようです。
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 桂離宮の松琴亭を模してつくられた寿立庵も見ものです。青と白の市松模様の障子や、油を塗りこめて渋く光る壁、櫓や松葉を模した引き手金具など、模倣といえば模倣なのですがやはり素晴らしい意匠ですね。でも引き手金具は全く同じデザインなのに、松琴亭のような圧倒的な存在感・質感を感じられないのは不思議です。茶室にいたる苔庭には、丸い炭が埋め込んでありまるで点描画、これも面白い趣向です。
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 肝心のコレクションは、横山大観を中心とした日本画で、見ごたえがありました。大好きな菱田春草の絵を数点見られたのも嬉しいし、竹内栖鳳が愛くるしい猫を描いた「小春」という作品にも出会えました。また児童画のコーナーで鈴木寿雄という画家を知ることができたのも望外の幸せです。調べたところ残念ながら絶版なのですが、表情豊かな小動物が描かれた「はいくのえほん」には心惹かれました。中でも蕪村の「とをたたく たぬきとあきを おしみけり」に描かれた狸の愛らしいこと愛らしいこと。機会があったらぜひ手に入れたい絵本です。
 苦言をいくつか呈します。まずは料金が高いこと。入館料2200円、珈琲735円、抹茶1580円… なめとんのかこらあ、と声を荒げて卓袱台を蹴倒したくなりました。まあ庭園の維持費と考えるべきなのかな。二つ目は、入館者の多さ。観光バスで次から次へと怒涛のようにツァー客が押しかけてきて騒がしく、落ち着いて庭園や絵画を鑑賞できる雰囲気ではありません。そして最後に、入り口にあった「庭園日本一」と刻んだ碑と、その脇にある入館者の進む方向を指し示す足立全康氏の銅像。これは悪趣味ですね。
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 本日の五枚です。
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by sabasaba13 | 2007-01-03 08:51 | 山陰 | Comments(0)
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