岩井・東海村・結城・古河編(7):東海村(06.10)

 さらに南に向かうと、核燃料サイクル開発機構の隣にあるのが三つ目の広報施設「アトムワールド」です。それにしても広報施設が三つもあるとは、よほど資金が潤沢なのですね。もちろんこれも税金あるいは電力料金から支出されているのでしょう。
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 ここは主に、プルトニウム燃料を使うと同時に、使った以上の量のプルトニウムが炉内に生成されるようという高速増殖炉に関する展示をしています。かつて「夢の原子炉」と言われていましたが、技術的な困難・莫大なコスト・戦慄すべき危険性のために世界各国が開発を断念した中、日本だけが実用化をめざし湯水のように資金をつきこんでいる「悪夢の原子炉」です。展示内容は、高速増殖炉は必要、安全(以下略)であると狂った鸚鵡のように繰り返すものでした。そして表面的な事実だけをならべたて、背後にある真実には口をつぐむ。例えば「作業者は、一人一人TLDバッジを身体に付けて一定期間中に受ける放射線の量を測り、基準値を超えていないことを確認しています」という説明がありました。しかし作業者は解雇されることを恐れ、作業場所に入る前にこのバッジを外しているということを知らないわけはありませんよね、関係者諸氏。
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 展示の中に3Dと模型を使用したミニシアターがあったので、何気なく題名を見ると「神さまたちと放射能」! さっそく拝見しました。東海村の上空で水の神と土の神が放射能の悪影響について心配しています。すると火の神と風の神があらわれて彼らを安心させるというストーリー。ぶったまげたのは、火の神が「排出される放射能は、国と県が別々にきびしくチェックしているので大丈夫」と言うと、水の神曰く「それじゃあ間違いやごまかしのしようがないのお」………………















 国や県がチェックしているからこそ、間違いやごまかしが起こるんだ! 公正な第三者機関にチェックをさせるべきです。さらに「核大国化する日本」を読んでわかったのですが、国や県が主張するところの放射能に関する安全基準という数値は、国際放射線防護委員会(ICRP)が出す勧告に従っています。しかしICRPは核開発と核産業を護る組織へと変貌しており、被曝リスクを受忍させるようなきわめて甘い数値になっています。そして驚くべきは、自らの利権や既得権を守るために平然と神々を利用するその傲慢にして無神経な所業。自然=神を畏れ敬うという文化的な伝統がこの列島に一貫してあったのかどうかについては一概に断言できないと思いますが、少なくとも原子力発電を推進する方々にそうした思考がかけらもないことは明らかです。神をも畏れぬミニシアターでした、これは必見です。

 本日の一枚は「神さまたちと放射能」の一場面です。
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by sabasaba13 | 2007-01-18 06:09 | 関東 | Comments(0)
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