鎌倉錦秋編(11):妙法寺・妙本寺(06.12)

 そして同じ道を戻って、ふたたび自転車に乗り、向かうは日蓮宗妙法寺。ここは磨り減り苔むした石段が有名ですね、残念ながら立入禁止ですが。この石段のたもとに「薩摩屋敷事件戦没者の墓」がありました。1867(慶応3)年に江戸の三田でおきた薩摩屋敷焼き討ち事件における双方の死者を祀ったものだそうです。この時に幕府が薩摩藩の挑発に乗らなければ、歴史は大きく変わっていただろうなあ、などと物思いに耽ってしまいました。その右につくられた新しい石段を上り、左手の鐘楼からさらに上に登る石段があります。このあたりの情景は好きですね、紅葉こそないものの、石段と鐘楼と木々と木洩れ日が一幅の絵のようでした。
c0051620_691215.jpg

 そして最後に訪れたのが妙本寺。私はこのお寺さんが大好きです。古武士のような質素にして無骨な佇まい、広い境内とそれを取り囲む鬱蒼とした木々、小林秀雄と中原中也が愛した海棠の古木、北条時政に滅ぼされた比企一族の墓石群、そして苔と雑草におおわれて完全に表面が見えない緑の怪物のような石段。惜しいことに紅葉にはまだ早かったのですが、その盛りの時期にはぜひ訪れたい古刹です。そして駅に戻り、自転車を返却して帰郷。
c0051620_694784.jpg


 鎌倉はいい街ですね。実は適当なホテルがなかったため藤沢に泊まったのですが、これは静かな暮らしを守りたいという鎌倉人の意思の現われのような気がします。一年に一回は訪れているのですが、街の佇まいが大きく変わった気配は感じられません。人々の暮らしと密着した小売店がつぶれずに残っているような気もします。街ぐるみで、貪欲な巨大企業・大規模小売店舗・外資系企業の進出を食い止めているのかもしれません。その背景には、この美しく愛すべき街を守りたいという想いがあるのでしょう。安倍伍長、ほんとに美しい土地だったら、みんな愛するようになりますよ。大企業の片棒をかついでいるかぎりはわからないでしょうが。

 本日の三枚、妙法寺(二枚)と妙本寺です。
c0051620_610895.jpg

c0051620_6102777.jpg

c0051620_6104755.jpg

by sabasaba13 | 2007-03-23 06:12 | 関東 | Comments(0)
<< 「9.11と9条」 鎌倉錦秋編(10):名越切通し... >>