三浦半島編(2):岡本太郎美術館(07.3)

 出発の日は朝から利休鼠の雨がしとしとと降りそそいでいました。午後からは晴れるという天気予報を信じて、新宿から小田急線に乗り込み、向ヶ丘遊園駅で下車。めざすは岡本太郎美術館です。小降りにはなりましたが相変わらずの雨模様、歩いて十五分ほどの距離なのですが、ついついひよってタクシーを利用しました。生田緑地という自然公園の入口で降ろしてもらい、あとは徒歩です。雨のためかほとんど人影を見かけず、池や森のかもすしっとりとした静謐な雰囲気を楽しみながら歩くこと数分で到着。段々のついた丸いパウンド・ケーキのような意匠の美術館です。現代美術を見るのはわりと好きです。先入観や世の評価を気にせず、数十秒見つめて、「これは好き」「これは嫌い」と自分の磨り減った感性で判断できるのがいいですね。そうした良い加減な鑑賞態度で、彼の絵・彫刻・オブジェを拝見しましたが、ほとんどの作品は「どうでもいい」というのが私の評価。どうも薄っぺらく中庸(中途半端?)な印象を受けます。「顔のあるグラス」が展示してあるのを見て、懐かしくなりました。懸賞で当選し、かつて我が家にあったのですが、今はどこにあるのだろう。「坐ることを拒否する椅子」に坐れたのも収穫、ごつごつした感じがけっこう気持ちよかったです。
c0051620_7153328.jpg

 一つ気に入ったのが、等身大の写真で彼が着ていたTシャツに書かれた文字、「殺すな」です。解説によると、小田実氏鶴見俊輔氏らが中心となった「ベトナムに平和を!」市民連合(ベ平連)に彼もかかわっており、アメリカの新聞にトナム戦争反対の意見広告を掲載した時に使われたのが岡本太郎の書だったのですね。その緊張感にあふれた叫ぶような書体には心を惹かれました。もし実物があるのなら是非展示していただきたいものです。もしやと思い、ミュージアム・ショップに寄ってこの書がプリントされているTシャツをさがしまたが、残念ながらなし。愛を叫ぶのもけっこうですが、まず世界のあちこちでこの言葉を叫びましょう。殺すな。なお、その資金集めのためにかけずりまわり、言葉を使い尽くしながら訴えつづけたのが、故開高健氏だそうです。
 館内のレストランでミックス・サンドをいただき、さて外へ出ようとすると、「太陽の塔」顔はめ看板を発見。全国の顔はめ看板フリーク諸氏、これは逸品です。というわけで小一時間楽しめました。でもせっかく岡本太郎氏の作品を展示するのだから、もっともっと人をあっと言わせるような外連みがあってもいいかなあ。等身大の人形が突然「芸術はぶぅぁくはつだぁ!」と叫ぶとか、太陽の塔がいきなり抱きついてくるとか。
c0051620_7155975.jpg


 本日の一枚は、岡本太郎美術館から見えた木立です。
c0051620_7161826.jpg

by sabasaba13 | 2007-05-01 07:17 | 関東 | Comments(0)
<< 三浦半島編(3):日本民家園(... 三浦半島編(1):(07.3) >>