神戸・南紀編(6):紀伊田辺(02.3)

 大蒜の匂いをプンプンさせながら、新大阪からオーシャンビューに乗車、めざすは紀伊田辺です。もちろん右側の指定席をとって、太平洋の荒波を堪能いたしました。熊野古道と寄り添うように走る紀勢本線はいいですね。駅前の「マーメイド」で美味しいランチを食しながら、作戦を練りました。まずは何はなくとも南方熊楠記念館でしょう、バスで白浜へ行きました。バス停からテクテクと海沿いを歩いて三十分。岩をも砕く紀州灘の波と、円月島の眺望がすばらしい。
神戸・南紀編(6):紀伊田辺(02.3)_c0051620_80487.jpg 「南方熊楠。1867‐1941(慶応3.4.15‐昭和16.12.29) 植物学者、民俗学者。和歌山市生れ。1886年大学予備門を中退して渡米、中南米を放浪し、動植物の観察収集に努めた。92年イギリスに渡り、学界で認められ、大英博物館東洋調査部に入る。1900年帰国、和歌山県田辺町に定住し、県下一帯の隠花・顕花植物の採集とその分類整理に没頭した。人間と自然との共生の立場から明治政府がすすめた神社合祀に反対し、また民俗学の分野でも独自の方法論による地球的規模での民俗の比較を試みた。」と岩波日本史辞典にあります。まあスケールのでかい人で、興味のある方はぜひ神坂次郎著「縛られた巨人」(新潮文庫)を読んでください。“日本”という枠の中に閉じこもり、性を語らなかった柳田國男に対して、世界に開かれ、性を人間性の本質ととらえ、自然破壊に敢然と立ち向かったのが熊楠です。(と偉そうなこと書きましたが彼の著作を読んだことがありません。汗顔の至り) この記念館には、彼のノートや遺品が数多く展示されており、勉強になりました。そうそう、熊楠はロンドンで孫文と知り合い、以後無二の友人となったんですね。屋上からの眺めもよく、熊楠が守り抜いた自然の宝庫神島(かしま)を遠く田辺湾に見ることができます。

 本日の一枚は円月島です。
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by sabasaba13 | 2007-05-28 08:02 | 近畿 | Comments(0)
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