神戸・南紀編(12):新宮(02.3)

 幸徳秋水がかよった大王地の料亭「養老館」、高木顕明が住職をしていた浄泉寺、毛利柴庵(南方熊楠とも親交のあった「牟婁新報」の主筆)が育った遍照院、メタンガスのため沼に浮いているという「浮島の森」を徘徊。
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 見知らぬ街を彷徨うのはやはり面白いですね、認識の関節を少しずらされるような物件をいくつか発見しました。格調高い「ゲーテ書房」、どんな本を売っているのだろう。戴帽式の記念写真、そして銃ローン。「山の民」の伝統がまだ息づいているのでしょうか。地霊は細部に宿り給う。
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 中上健次が生まれ育った駅前の春日町を抜けて、西村伊作記念館へ。彼自身が設計した瀟洒で住みやすそうな洋館でした。残念ながら鎌倉で行われている展覧会のため、中はからっぽ。館長さんが申し訳なさそうに、入館料を半額にしてくれました。大石誠之助愛用のトランクと彼がつくったサイドボードがあったのには感激。
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 ちなみに西村伊作は、私が「いい言葉コレクション」を始めるきっかけをつくってくれた人です。
 われわれの思想を、自由に実現することのできる文化学院が生まれるのを真によろこんで、まじめな芸術の精神をもってやろうとしている。芸術に生きる。強いない。画一的に人をつくらない。各々の天分を伸ばす。不得手なものを無理にさせない。機械的な試験をしない。競争的に成績を挙げさせない。身体と精神を損ずることのないようにする。生徒のみの教育ではなく、一般教育界の模範となり、参考となるように努める。小さくて善い学校。素人がよい。
 という言葉なんですが。ラストは、駅前で東くめの「鳩ぽっぽ」の碑を見てしめました。帰りなん、いざ。

 本日の一枚は、西村伊作邸です。
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by sabasaba13 | 2007-06-07 06:08 | 近畿 | Comments(0)
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