ヴェネツィア編(16):オペラ鑑賞(07.3)

 駅からホテルまでは徒歩数分です。今晩はオペラ鑑賞としゃれこみましょう。フェニーチェ歌劇場でオペラを見たかったのですが、残念ながら公演がありませんでした。そこでホテルにポスターが貼ってあったロッシーニの「セビリアの理髪師」を見にいくことにしました。場所はスクオーラ・グランデ・デル・カルミニ、ホテルから徒歩二十分ぐらいで行けるようです。が、しかし、この迷路のような街で、しかも夜間に無事にたどり着けるのでしょうか。駄目でもともと、見つからなければ夜の散歩に切り替えて、行ってみることにしました。途中までは地図を頼りに何とか行けたのですが、突然ホワイト、もといブラック・アウト。ここはどこ? 私は誰? 方向感覚を喪失してしまいました。広場でジェラートを買って、店の方に尋ねたところ、この先を50mほど歩いて右側ということなのでその通りに行ってみても見つかりません。開演時間まであと十五分、万事休す。いやあきらめたらそこで試合終了だ、先ほどの広場に戻り、念のため奥の方まで歩くと…あった。しかしこれはどうみても、ジェラート屋から264mは離れているぞ、おかみさん。ま、いいや、開演には間に合いました。ところが内部はホールというよりも小会議場、パイプ椅子が並べてあるだけです。登場したオーケストラは5人! (ヴァイオリン2・ヴィオラ・チェロ・ピアノ) そしてオペラのはじまりはじまり。歌手の力量は、プロにしては下手すぎ、アマチュアにしては上手すぎ、という不思議なものでした。まあでも睡魔と手を取り合いながら気持ちよく鑑賞。感心したのは、オペラが終わると数人の観客が「ブラービ」という言葉を静かに舞台に投げかけたことです。(筆者注:男性にはブラーボ、女性にはブラーバ、複数にはブラービ) アンコール目当てに(?)「ぶらぼおおおおおおおおおおっ」と絶叫する光景を見慣れているので、これは新鮮な体験でした。自分の五感を信じ、演奏が素晴らしければ淡々としかし心をこめて賞賛の言葉を口にすればいいのですね。勉強になりました。なお歌手の中に、アジア系の女性が一人いてコミカルな役をうまく歌い演じていました。終演後、山ノ神がトイレに行くと、数人の女性から「あなた、今歌っていた方?」と訊ねられたそうです。「似ても似つかないわよね!」と同意を求められましたが、もごもごと口を濁す健気(弱気?)なわ、た、し。
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 本日の足跡です。
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by sabasaba13 | 2007-07-04 06:08 | 海外 | Comments(0)
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