ヴェネツィア編(19):サン・マルコ地区(07.3)

 そして郵便局のすぐ近くにある、陣内氏の著書で知ったカンピエッロ・デル・レメールという、建物に囲まれた小さな広場に行ってみました。二階へと続く外付けの階段とそれを支えるリズミカルな連続アーチ、半円形ビザンティン・アーチや尖頭型のゴシック・アーチの窓、中央には井戸、そしてカナル・グランデ(大運河)に面している素敵な内庭です。家の外にあるので“私”ではなく、かといって通りに面していないので“公”でもない。こうした近所の人たちが集う曖昧にして暖かく濃密な空間が、コミュニティを支えるのかもしれません。羨ましいかぎりです。東京にもかつては路地裏や縁台があったのですが、ほとんど駆逐されてしまいました。なお、ここから眺めるカナル・グランデとリアルト橋がいいですねえ。
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 さて、ここからミリオン(百万旦那)という名のついたカッレ(狭い小路)とコルテ(小広場)へと行きましょう。このあたりにはマルコ・ポーロが住んでいて、彼の東方についての土産話がいつも桁違いにおおきくふくれたため、こう呼ばれていたそうです。写真のように運河に斜めにかかる橋を、ポンテ・ストルト(捩れた橋)と言います。
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 なおマリブラン劇場の上部に「マルコ・ポーロの家」というプレートがありますが、確証はないとのこと。
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 さて、ここから近くにあるサン・リオ教会には、帽子をエレガントな線で刻んだ帽子職人たちの墓があるそうなので、さっそく拝見。このサン・リオ地区は商業・手工業の中心だったとのことです。近くで「マカロニほうれん荘」に登場するとしちゃんそっくりの顔型呼び鈴を発見。
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 そしてカッラ・デル・パラディーゾ、天国の道へ。陣内氏曰く、「オリジナルの建物を残しながら現在も機能する商店街としては、世界で最も古いもののひとつ」です。狭い路地の両側に古い建物がそそり立ち、二階の住居部分が木製の梁に支えられて路上に張り出しています。こうした構造をバルバカーニと言いますが、日照・通風の関係からか安全上の問題からか禁止されたそうです。よってこれがあったら大変古い家と考えていいでしょう。入口にはマリアが刻まれたアーチがあり、両側に住んでいた二つの家族を優しく抱きながら街を見守っています。
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 本編の足跡です。そして本日の三枚は、カンピエッロ・デル・レメールとそこからの眺望、そしてカッラ・デル・パラディーゾです。
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by sabasaba13 | 2007-07-11 06:11 | 海外 | Comments(0)
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