「カラー版 小さい駅の小さな旅案内」(夏目雄平 洋泉社COLOR新書y)読了。旅に関する本を本屋や書店で見かけると、ついつい手にしてしまいます。本書もそうして出会ったのですが、なかなか良い旅案内でした。東京から日帰りができる小さな駅の周辺を歩き回って、美しい里山や自然を愛でるというコンセプトは新鮮です。名所・旧跡ははじめから考慮に入れていないので、当然わさわさと押し寄せる観光客におびやかされるおそれもないでしょう。農村や棚田、紅葉、菜の花、みかん、富士山など、奇を衒わぬオーソドックスな物件が満載です。素朴で味わいのある手描きの地図がついていますが、やや正確さに欠けているのが気になるところ。正確な地図を持参してカバーするか、こけつまろびつ右往左往しながら徘徊すればいいでしょう。大きな瑕疵ではありません。私もけっこうあちこちを彷徨してきましたが、紹介されている20コースのうち、踏破したのは銚子電鉄・
外川駅、しなの鉄道田中駅(
海野宿)、東海道本線・
真鶴駅の三つだけでした。まだまだ素敵な地が私を待ってくれているのですね、それでこそ働く甲斐があるというもの。
なお最後に掲載されているブックガイドに姉妹版「小さい駅の小さな旅」(新風舎)があると著者自身が紹介していたのでさっそく購入。しかし内容がほとんど重なっていました、これでは二卵性双生児ですよ、夏目さん。