ヴェネツィア編(47):サンタントニオ聖堂(07.3)

 ここから数分歩くと、威風堂々とした聖アントニオの墓所があるビザンティン風の巨大なサンタントニオ聖堂が見えてきました。聖アントニオは高利貸しに反対する説教と数々の奇跡で人々から崇拝を受け、1231年にパドヴァでなくなると聖人に列せられました。探し物や尋ね人を見つけてくれる聖人として、今でも崇拝されているそうです。なおすぐ脇には、ドナテッロ作のガッタメラータ騎馬像が置かれています。
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 さてAさんにうながされて中に入り、左手を見ると長い行列ができていました。ここが聖アントニオの墓所で、さっそく並んで墓所に近づくと壁一面に貼られた写真に驚かされます。きっと探し物や尋ね人なのでしょう。墓所の壁に手を触れる人、一心不乱に祈る人、言葉で言い表せぬ熱気・想い・雰囲気がただよっていました。キリスト教という表層の下に隠された、奇跡や現世利益を求める信仰を垣間見たような気がします。外に出ると、Aさんがここに来た理由を話してくれました。彼女の今は亡きご尊父は二次大戦末期イタリア軍の兵士で、ドイツ軍に追われてある教会に逃げ込んだそうです。厳しい捜索の中、彼は守護聖人聖アントニオに祈り続け、結局発見されずに命が助かったとのこと。自分は無神論者なのだが、ご母堂の強い願いを聞いて立ち寄り感謝の気持ちを捧げたの、と語ってくれました。聖堂の周辺は蝋燭など儀式で使うグッズを売る店が建ち並び、ちょっとした門前町になっています。大型バスも何台か停車しており、表示を見るとポーランド、スペイン、ポルトガルなどカトリック圏の国がほとんどでした。なお聖堂の先には、世界遺産にも指定されたヨーロッパ最古の植物園があるのですが、もう閉園時間なので省略。他日の再訪を期しましょう。
 近くの店で魚形のお菓子を売っていました。Aさんによると「ペシェ」と言うそうで、4月1日に魚型の紙を人の背中に貼り付ける慣習があるそうです。それを模したお菓子がこれ、さっそく購入していただきました。味は可もなし不可もなし…
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 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2007-09-03 06:10 | 海外 | Comments(0)
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